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story
罠(市日/裏アリ)

その日、日番谷は眉間に皺を寄せていた。
いつも寄せているが、今日はいつもの3割増である。

その理由は…

「日番谷はん、お茶飲む?それとも肩揉んだろか?なんだったら下も一緒に揉んで…」

「だああああ!!鬱陶しいわ、ボケェ!!!!」

市丸が今日一日、十番隊の副隊長をやっているからだ。

「てめぇはサッサとこの書類を提出しに行けばいいんだよ!!」

「えぇ〜日番谷はんと離れとうないからヤだ」

「…なら阿散井でも呼んで‥」

「行ってくる!!」

市丸は書類を日番谷から奪うと瞬歩で消えた。

はぁ〜…
漸く市丸が書類を提出しに執務室を出ていくと、日番谷は大きくため息をついた。

そもそも、なぜこんな事になったかと言うと、
昨日の夜まで話はさかのぼる。

昨日の夜は、俺、松本、市丸、吉良というメンツでゲームをしていた。
ゲームはトランプを使ったババ抜きという現世の遊びで、
松本が檜佐木から遊び方を教えてもらったらしく、せっかくだからやりましょう♪との事で強制参加させられたのである。
ルールは非常に簡単なものだったため、すぐに慣れ、それなりに盛り上がったのだが、
ここで市丸が

「ただやるだけじゃつまらへんから、罰ゲームでもつけへん?」

とか、言い出した。

「いいけど何するのよ?」

「もっちろん、一番負けの奴が一番勝ちのゆうこと聞くんや」

「隊長、副隊長関係なく命令していいんですか?」

「当然」

それを聞いた吉良は「よし、やるぞぉ」と拳を固く握りしめていた。
たぶんアイツ、市丸に仕事やらせる気なんだろうな…

まぁ正直、俺も飽きてきてたから市丸の提案に特別反対はしなかった。


…で、結果。
一位・松本、二位・俺、三位・吉良、四位・市丸
となった。

言い出しっぺの市丸が一番負け、ということにかなりウケた。

いつもはウザい位に運だけはイイ奴だが、今回はどういうわけかババばかり引いてしまっていた。いい気味だぜ。

市丸は「日番谷はんにコスプレさせようと思っとったんに〜!!」とかバカな事をほざいていたので顔面に一発喰らわせといた。

だが、ここからが問題だった。

「それじゃ、ギン。明日1日あたしの代わりに副隊長の仕事よろしく」

「…!!っ松本てめぇふざけんな!!」

「何ですか、隊長。約束は約束ですよ。文句は言いっこなしです」

「乱菊、お前やっぱええ女や!!日番谷はんと堂々と二人きりなんて」

「と言うわけだから明日はギン借りるわよ、吉良」

「まぁ‥仕方ないですね。日番谷隊長、市丸隊長をお願いします」

「で、でも三番隊の仕事は…??」

「あぁ、それなら大丈夫ですよ。いつも僕が全部やるハメになってるんで、慣れっこです」

吉良、苦労してんだな…お前‥

「あぁ〜一番負けになって良かったわぁ。明日はよろしゅうな、日番谷たいちょv」

「……最悪」


結局コイツは運がイイみたいだ
…ムカつく



そして今日の朝、いつも自分の隊舎にいるときは絶対定時に起きる事なんてしねぇくせに、
市丸は俺よりも先に執務室に来ていた。

その時のアイツは隊長の証の羽織りを脱いだ死覇装だけの姿で、俺は不本意にもしばらく見惚れてしまった。

……とにかく!そんな事があって今に至る。

もちろん松本は遊びに行っていていない。

アイツと一日一緒だなんて果たして無事でいられるのだろうか…。

まぁ今のところ文句を言いつつも、一応仕事はちゃんとしているワケだし、そんなに警戒しなくても大丈夫なのだろうか。



そんな事を考えていると書類を提出しおえた市丸が帰ってきた。

「ただいまぁ〜日番谷たいちょv」

「ああ、お帰り。」

市丸は部屋に入るとさり気なく後ろ手で鍵をかけた。
執務室は基本的に隊長、副隊長しか入れないため、完全に二人きりだ。
だが、書類に目を落としている日番谷はそれに気づかなかった。

「お茶でも飲む?」

「おう、頼む」

丁度のどが渇いていたので、気が利くじゃねぇか、と日番谷は少し市丸に感心した。

市丸が口端を異様に上げて、怪しい笑みを浮かべてるとも知らず。


コトリ

隊長机の上にお茶が置かれる。
それに手を伸ばそうとすると、日番谷は市丸にヒョイと体を持ち上げられてしまった。
そのまま、市丸は先程まで日番谷が座っていた隊長椅子に腰掛け
さらに、その市丸の膝の上に日番谷座らせた。

「なっ、バカッ降ろせって!!」

「ええやん、これ位。ちゃんとお仕事しとるんやし、ちょっとだけ、な??」

確かに、いつもサボりまくっている市丸にしては今日は大分働いているのだろう。
それに最近は忙しくてあまりかまってやれなかったから、これ位いいか…

「ちょっと‥だけだぞ」

日番谷はそれだけ言うとお茶を飲んで、後ろでニヤリと笑う狐に気づかぬまま、また仕事を再開した。








結構な時間このままでいた気がする。
市丸も日番谷の腹の前に手を回したままで他には特に何もしてこなかった。
本当はすぐに止めさせるつもりだったのだが、
市丸の膝の上は思ったより座り心地がよく、その状態に甘えていた。

次の書類をめくると、扉の向こうから自分の隊の六席の声が聞こえた。

「日番谷隊長、今よろしいでしょうか?」

「ち、ちょっと待て」

日番谷は慌てて市丸の膝から降りようとした。
が、ガッチリと腰を掴まれていて離れられない。

「い、市丸っ‥はなし…っ!!!!」

抗議の声は続かなかった。
市丸の手が日番谷の下肢をそっと撫でたからだ。

「どうかしましたか、日番谷隊長?」

「なん、でもな…っ」

市丸の手は更に動きを増す。
布越しから何度も触られ、日番谷は声を押し殺すのに必死だった。
席官の戸惑った様子がわかったのだが、こんな状況を見られるワケにもいかず、中に入れられずにいた。

「いち、まるっ…頼む、から‥んっ」

離してくれるよう頼んだが、少しも聞き入れるつもりはナイらしく、もう片方の手で今度は帯を解いてしまった。

シュルリ

解けた帯が床を這う
弛んだ隙間から市丸の手が伸びてきて直接触られた。

「…っや、ぁ、ん」

「声ちゃんと押さえんと、外に聞こえてまうで?」

意地悪な言葉を耳元で囁かれ日番谷は必死に自らの口を押さえた。

どうしよう、このままでは席官が心配して入ってきてしまうかもしれない

市丸の手は容赦なく幼い日番谷を追い立てる。

日番谷は机に突っ伏した状態で手の甲を噛んで与えられる快楽の波に耐えていた。
その丸まった背中に自分の体をピッタリつけて耳を舌で愛撫しながら、市丸はその様子を見て楽しんでいた。

「日番谷隊長?」

再び聞こえてくる声。
何か言わなくちゃいけないのに、口を開けても喘ぎばかりが出てしまう。
しかも達してしまったら、声を抑えられる自信はない。

「んぁ、あっ、く、」

頭が朦朧としてくる、知らず腰を揺らしている自分がいて
日番谷は恥ずかしさに顔を真っ赤にしていた。

市丸の手の中にある日番谷のソコからはひっきりなしに密が溢れ、まだ履いたままの死覇装を汚していく。

限界が近かった。

すると市丸は指で付け根をキツく押さえイかせないようにすると、日番谷の耳にまた囁いた。

「イきたいん?」

日番谷はコクコクと首を縦にふった。

「でも、このままイったら日番谷はん声出てまうよ?」

そしたらバレてまうね。
と市丸は楽しそうに笑う。

「や…だ、なんと、か…、して‥んぁ」

市丸はイけないようになっている日番谷の先端をもう片方の手で愛撫を続けながら
じゃあ…と続けた。

「このまま最後までさせてくれたら、ボクが代わりに六席の子帰したる」

なぜ、こいつはこんなにも余裕なのだろうか。
こんな状況を見られたらコイツだって困るハズなのに…

だが、限界を越えているトコロに更に快楽を与えられ、しかも戸を開けられたら終わりだと言う焦りで頭が正常に働かず、日番谷は市丸の提案に首を縦に振ってしまった。

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