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今夜は見たかった映画のレイトショーに行こうと、キーを掴んで玄関を飛び出そうとした時、ある人物から電話がかかってきた。…遼一さんだ。断るという必要以上にコミュ力を要する選択肢を持ち合わせていない私は、渋々映画館からカジノへと行き先を変えた。



遼一「で、青山と皐月さんってどういう関係なわけ?」

「えっ?」

千早「付き合っては…ないんだよね?」

「も、もちろんです!!」




遼一さんは長い脚を組み替えるとにやりと意地悪な笑みを浮かべる。隣にいた千早さんまで肩を竦め私を見やる。



未来「もう付き合っちゃえばいーじゃん、なんでー?」


未来くんもニコニコ笑いながら私の空いたワイングラスに波並み注ぎ足した



「え?、じょ、冗談ですよね、皆さん何仰ってるんですか!私なんかが皐月さんと釣り合うワケないじゃないですか!」


からかうのは大概にして欲しい、皐月さんには私なんて勿体無い。それに…



「皐月さんは人によって態度を変えたりしないので…私だけ特別に優しい訳じゃないんですよ、皆さんご存知だと思いますけど。」



未来くんが注いでくれたワインに手を伸ばそうとした時、今まで黙っていた悠月さんが突然立ち上がった。



悠月「つまんねー女だなお前。帰れよ、」


途端にその場が凍りつく。



(えっ、?)



言葉を発する前に悠月さんに遮られた



悠月「私なんか、私なんかって…うっとおしいんだよ、お前。そこにお前の意思とか無いわけ?周りばっか気にしてへらへらしてよ。んなんじゃ、兄貴だけじゃなく、お前に釣り合う男なんてこの世にいねーんじゃね、」

千早「悠月!」

「……っ、」


どぐり、どぐり、ゆっくりと重く重く楔打つように心臓が鳴る、
呼吸が乱れて苦しい。



私は…

「…あは、っあはは!確かにそうですね、本当、悠月さんの言うとおり!、私明日ちょっと早いのでお先失礼します!」


得意の作り笑顔でまくしたてるようにしゃべると、バックをひっつかみ、部屋からかけだした、



千早「…悠月…」

遼一「……今のは無いな、」

ノエル「…流石にアレは無い…」

未来「…使里樹ちゃん、可哀想…」

凍りついた部屋から漏らされる批判。



悠月「俺は間違ったこと言ってねー」


悠月は、かきこむ用に胃にワインを流し入れると使里樹を追いかけるため、駆け出した





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