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「お、おじゃましまーす、」

千早「いらっしゃい、今紅茶入れるね」


私の家からそんなに離れていない所に千早さんのマンションはあった。洗練された中にも温かみがある部屋で、千早さんらしいな、だなんてふと感じる。勿論言うまでもなく最高級のマンションの一つではあるが…。

履いてきた健康サンダルを玄関に揃えると、だされたスリッパにはきかえる、千早さんと同じ香りがする部屋に包まれて心が落ち着く、今日は色々あったしなんか疲れた…



千早「ラベンダーとアールグレイの紅茶だよ、平気だったかな?」


恐らく手作りであろう小さなマフィンもつけて出してくれた、



「なんかもう、申し訳ありません…」

千早「今日は僕が居たから良かったものの。次からは気をつけるんだよ」

「…はあい、」



側にあったクッションを抱きしめる、この千早さんの包容力、流石だよね。大好きすぎてついにやけるのを抑えるのに必死だった



千早「大分疲れてるみたいだね、」

「……はい、」


うっかり皐月さんとの事を口に出しそうになってしまった。いかんいかん!はっと我に返る。今日のジュエリーの件にしろ、皐月さんの話題を出すのはなんだか話のネタにしているみたいで気が引けた。私も自分の居ないところで勝手に話題にされていたら嫌だし…



千早「ベッドでいいかな?…大丈夫、僕は違う部屋で寝るから」

「気を使わせてしまい申し訳ないです…」

千早「ふふ…気にしないで、浴室は部屋ついてるから使ってね。じゃあ、おやすみ」




ちゅっ、
私の両手をとってキスをする千早さん。途端に眠気なんて吹っ飛んだ




(あわわわわわ、わ!!!)




視線を泳がせている私を見て意地悪く笑うと今度は頬に柔らかい物が当たる、




千早「…良い夢を、」




パタン、
閉じられた扉。未だに残る感触。



(ね、ねね寝られるわけないじゃんっっ!!)



きっと千早さんはからかってるんだ、絶対私遊ばれてるっ!怨もうとしても、身体は正直で。
漸くドキドキが収まったのは何時もの就寝時間を大分過ぎてからだった。





(安心する、ヒト。)









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