13
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あの日から一週間経った。新規で購入したケータイに登録してる人数はゼロ。必要な番号は着信履歴でだいたい解るので不自由はない。新しく引っ越した場所も誰にも教えてない。誰とも連絡手段を持たないことがこんなにも心地よいなんて感じるとは。
色々慌ただしくて帰宅が深夜になってしまった。郵便ポストに一瞥もくれず、早く家に入ろうとした時、記憶に残る声が聴こえた。
「おい、青山!!」
喉が乾く、鼓動が早くなる、動けない、
あの日からついた癖の一つとして、人の顔に視線を向けないことがある。そのため、アパートの前に人がいたなんてわからなかった。なるべく物以外視野に入れないようにしてたから。
「お前なー、俺がどんだけ連絡したと思ってんだよ」
コツコツと近づく足音、アタマの中で警鐘が響く、ーー廣瀬遼一だ、あの人の仲間の一人。あの人の、あの人の、あの人の、悠…月の、
はっと気付いた時には涙がボロボロ溢れていて。視線の中に、廣瀬遼一の靴がうつったときには恐怖のあまり声も出なかった。
遼一「おい、青山!?大丈夫か!?」
廣瀬遼一が手を伸ばし、私の肩に触れる。同時に蘇るキオク。
「(やあ、っあああっ)」
「、青山!!、」
叫びたくても声が出ない、足元がふらつく、そこで私の意識は途切れたのだった。
「……んうっ、…」
視界がぼやける、朝?、
私はパジャマを着て自分のベッドに居た、なんてことは無い何時もと変わらない朝。
途端に凍りつく。突然目に入った男。廣瀬遼一!!、
「、青山、お前…」
随分長いこと顔を合わせていない気がした。あれ以来、両親や友人を含めて私は誰とも連絡をしていない。久しぶりに誰かと話した
「出てって、」
遼一「は?」
私の発した言葉を聞き苛立ちを感じたらしい、そんなの構うものか、
遼一「番号変えるわ家変えるわ…、お前らなんかあった?」
(お前ら…)
その言葉を聞き、肩が震える
お前ら…私と…悠…
「青山!!、」
大声で呼ばれてはっと気づく、疼く下腹部、
「……、青山、」
ひどく優しい声色で囁き、そっと私の手に自らの手を重ね合わせる遼一さん、しかし私は全身で拒絶してしまった
恐い、恐い、みんなみんな私の敵。
「う、う…、うっ…やあっ、やだあっ」
再び溢れ出す涙、自分でも解る。私は、壊れてしまったのだ、
「青山、俺のこと見ろ、大丈夫、大丈夫だから」
拒絶しても遼一さんはなお語りかける、不意に視線が絡み合った。
「…もう…信じ、られない、…やだよお、…」
そう。あんなに優しくしてくれたのに、一緒にいて楽しかった、大好きだった…なのに…!!!
あの人は私を犯した。
「もっ、…やあっ、…誰も…信用できないっ!!、」
「青山、」
「ううっ……、た……て、」
「青山?、」
「りょ…いち、さん、たすけ…て」
言葉に出した途端、布団を握る手に力がこもる、遼一さんを見つめるとこんな表情なんて見たことない程真剣な顔だった
「青山……誓う、お前をまた必ず笑顔にしてやるから…、」
そういった遼一さんは再び私に手を重ねてきた。私は泣きつかれてかその手を離すことはなかった。
(信じるココロ、)
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