Arabians lost
13◆
13◆day off
今日一日お休みだったので、年中暇してそうなロベルトのカジノへと遊びに行くことにした。本当はシャークに構って欲しかったけど、彼は多忙だ。申し訳なさすぎる。その点ロベルトは全てにおいて何も配慮することはない。支配人にロベルトさんいらっしゃいますか?、と聞いたらお部屋で休まれています、と言われた。
(全く、いつまで寝てるんだよ、あの人!)
支配人「只今、オーナーにご連絡致します。失礼ですがお名前をお聞かせ願います」
「シリキです、」
了解致しました、暫くお待ち下さい。そう言い残し支配人は去っていった。私は近くにあったスロットのイスに腰掛ける、スロットだめなんだよね、全く当たらないんだもん!だなんて考えてると、支配人が戻ってきた。
(あれ、ロベルトは?)
支配人「お待たせ致しました、シリキ様。オーナーの部屋へご案内致します、」
(え、?、部屋に?)
ーー
「おじゃましまーす、」
一応ノックをすると中から「ういー、」だなんてだらけた声が聞こえた。ちょっとドキドキしながらでドアを開ける、
ロベルト「何?、俺に用?」
未だベッドに寝っ転がったロベルトが布団から顔を出す
「‥‥‥。遊びにきたの!、ロベルトあそぼー!」
(何この可愛い生き物!!パジャマちゃんと着てるとか吹く!!、)
ロベルト「遊ぶ?、何して?」
不機嫌そうに呟くロベルト。
彼がカジノに引き籠っていることは事実だった。このままじゃ確実に二度寝、いや絶対三度寝する、私はロベルトをベッドから引き出そうとロベルトのカジノに次ぐ店にタッグ組んで勝負を挑みにいこうと持ちかけた
ロベルト「おっ、いいねえー!すげー楽しそう!行く行くっ、ちょっと待ってろ」
私は、早速支度をし始めるロベルトににっこり笑顔を向けた。
ーー
(ふふふ、単純な奴め、)
隣で勝ちに勝ちまくっているロベルトを横目に内心ニヤリとほくそ笑む。おし!、シャークへの支払いが完了しそうだ!私たちは単純計算山分けしたってお釣りが出るほど勝っているのだ。まあロベルトと一緒だから負けるなんてあり得ないんだけどね、
ロベルト「俺らって名コンビじゃね?」
私の肩を抱き寄せ、興奮気味にロベルトが囁く。ちょ、どきっとしちゃったじゃんか!
鳴り響く心臓を抑えながら目の前に高く高く積み上がったチップをみる。
(よしっ、もう十分だろう、)
「私、もう帰るわ、」
ロベルト「えっ?!何で?!これからだろ!」
「今日は楽しかった!ありがとう!」
外も暗くなり、漸くカジノの時間になってきた。勝ちに勝ちまくっていたのに何で?なんて思うだろうけど、目標金額が達成した以上、享楽のためにリスクを侵すのはナンセンスだ。
それに夜も更けた、ここは病院から反対方向にある。幾ら出しても構わないのでタクシーみたいなので帰らないと女一人で外を歩くには危険すぎる。シャークに夜遅くは絶対一人で歩くなって誓わされたし…。
しかもロベルトといたんだもん、私は目立ち過ぎた。帰りに強盗にあったらまた金稼ぎが振り出しに戻ってしまう
「ロベルトは楽しんで!じゃっ!」
あ、山分けね、と抜かりなく一言添え、換金するためカウンターに向かおうとすると、パシッと腕を掴まれる
ロベルト「ひっでぇ〜な、ひどすぎるだろ。俺をダシに金稼いで、目標金額いった途端に用なしなんて、あー、ひどすぎるぜ、」
(げっ!、ばれてた!?)
てゆか目標金額のこと何で知ってるの?まさかシャーク?、いやそれはない、マイセンか?!、てゆか、お、お、怒ってる!、あああ、やばい!
ロベルト「これからじゃん、勿論付き合ってくれるよな?」
にぃ、っと笑うロベルト
か、完全にご立腹だ、、
「わかった、わかった、!付き合わせて頂きます!でもカジノはもういいよ。違うとこに行きたいな、」
とりあえず得た金は死守せねばならない。これで負けて全額なくなるなんて、まさにデジャヴ!!
私が、ね?、だなんて精一杯可愛子ぶっておねだりしてみる。交戦的な態度よりいくらかマシだろ、だなんて思っていたんだけど、なぜだかロベルトは意図せぬ解釈をしたらしい
ロベルト「っ…、、いいぜ、俺の部屋にする?、それとも最上階の部屋抑えるか?」
アンタ結構大胆なんだな、なんて言いながら私の腰に手をまわし、用意した迎えの元にエスコートするロベルト、
「ちょ、ちょ、!!違うからね、違うからね!、」
「今更否定すんなって、シリキかわいー、」
ロベルトは腹立つような笑みを浮かべる。
本当!ついてない!、最悪!、でも今罵ったらそれこそ生命の危機だ。ホテルはやばい、ロベルトの部屋なら従業員さんや支配人さんが何とかしてくれる…かも、
よし、ロベルトの部屋だ!、ロベルトの部屋に着いたら適当にあしらうしかないな、私は引きつった笑みを返すととりあえず上機嫌なロベルトの後を渋々ついて行く事にした
ーー
部屋にはいるなり、後ろから抱きしめられる。首元にキスを落とすと金色の柔らかい髪が私の肌に当たり余計にびくっとしてしまう、
「まっ、待って、ロベルト!、やだあ、!、」
ロベルト「付き合ってくれるんだろ、」
「だっ、だって、」
ロベルトの手が私の胸に触れ、下から持ち上げるようにして愛撫される。手の動きが段々と激しくなり、突起を擦られる度思わず、はあっ、と喘いでしまう
(やばい、無理無理無理!、だって!!)
「誰かいるんだもん!!」
ロベルト「えぇえっ?!、」
ビシィイッ!、と指をさした先に居たのは杖をつき、眼鏡をくいっと上げる男
ロベルト「ら、…らららら、!」
「……。貴方という男は、」
男は心情が理解できる程の深い溜息をつく
ロベルト「ライル!!な、な、な、なんで居るんだよ?!、」
ライル「これ以上私を呆れさせないで下さいよ。ロベルト、」
未だに、???、を浮かべるロベルトに鋭く言い放つ
ロベルト「今夜、話したいことがあると言って呼び出したのは貴方でしょう?酒屋に行っても居ないからわざわざ足を運んできてみれば…、」
じとり、と私達に視線を送るライル。
最悪だ、100%ロベルトが悪い。絶対、私もジトリとロベルトを睨みつける
ロベルト「あー!!そうだそうだ!いやあ、すっかり忘れて…って、うわ!?、ライル、てめっ、殺す気か?!」
ライル「殺すつもりです。死んで下さい、」
濡れ場をみせられた怒りか、約束をすっぽかされた怒りか、或いは両方か。
杖だと思っていたものが突然細い剣になってロベルトに切っ先を向ける
ロベルト「うわああああ!落ち着けっ、な、な?、悪りぃ、悪かった!、」
ライル「…遺す言葉は以上ですか?」
ロベルト「いや、ちょっ!、ぎゃあああかあ!!、」
とりあえず自分の身は安全そうなので、ロベルトの部屋にあるソファで寛ぐ。未だにガタガタ、ドタバタ、やってる二人が目に入ったが、止めることもせず、お休みー、とだけ声をかけると、眠かったので勝手に寝ることにした
(お金は手に入ったし、ソファふわふわだし、文句なしの一日だわ、)
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