diabolik lovers
happy vampiren party!! 1/2


happy vampiren party!! 1/2



「ぱーてぃ?え、なにそれ?」


無神家のソファーで寛いでいると隣に座って紅茶を嗜んでいたルキが思い出したように言う


ルキ「パーティと言っても勿論ヴァンパイアのものだ。お前は俺の家畜として同行してもらう」

「いやいやいや、家畜として同行ってそんな。せめてパートナーと言ってください」

ルキ「‥‥何か言ったか?」



滅相も御座いません、とぶんぶんと顔を横に振る。ルキの凄みはマジで恐い。ひくついた笑みを零していると、深い溜息をつきながら急に距離を詰めてきたルキ。ぴったりとくっついた所で、こてん、と私の頭はルキの肩に押し付けられた


「‥‥お前は俺の特別な家畜だ。お前以外他に誰がパートナーになるんだ?‥‥そうだろう?」


そう耳元で囁きながらゆっくりと撫でられる頬。



(っ〜〜‥!)


(ルキが私以外の人をパートナーにしているなんて考えただけでも悲しい……ルキの隣に居ていいのは私だけなんだから!)



何度も狂ったように頷いてしまったのは言うまでもなかった。






コウ「うっわあー。馬子にも衣裳だね」

ユーマ「はァ?馬子?!コウ、ちげェだろ、こいつは雌豚だろうが!」

アズサ「エリア‥‥似合ってるよ、‥本当、雌豚にも衣裳‥だね」

「‥‥‥。」



(何これ、褒められてるどころか逆に貶されてるよね?明らかに侮辱だよね?)



せっかくドレスアップしたのに、無神弟たちから浴びせられたのは辛辣な言葉だった。本人たちは褒めてやってるんだとばかりの得意顔でいるものだから罵るに罵れないのが現状で。



(ったく!いっそのことノーコメントの方がまだマシよ!)



ルキ「待たせてすまない‥行くぞ、お前ら」


後ろから最愛の者の声が聞こえ、はっとして振り返る。漆黒のスーツに瞳と同じ深い藍色のタイを纏ったルキが現れた、



(ひあああ!かっこいいっ、!)



柔らかい笑みとは対象的にその目元はあまりに冷酷で。そのアンバランスさと品の良い雰囲気が彼の妖艶さを更に際立たせていた

先ほどの無神弟からの不躾な発言なんて忘れてしまう程、その姿にうっとりしてしまう。あまりの気恥ずかしさに、無駄にでかいユーマの陰に隠れてしまった。ひっそりと、しかし熱い視線をルキに送っていると、漸く私に気づいたようだ


ルキ「くくっ‥‥なかなか様になってるじゃないか。…家畜にも衣裳だな」

「私のトキメキ返せ」


冗談だ、そっと呟くと私の傍に寄り添いひどく優しい口づけを首筋に落とす。ルキの触れた部分が次第に熱を帯び始める



(ああ本当、ルキってずるいんだから‥!)



それにしても、この会場にいる者は全てヴァンパイアだとは驚きだ。だって容姿は人間と全く変わらないんだもん。体格の良い叔父さんや、絶世の美女など様々。ただし、肌の色は透き通るような白、色を持つ目、そして時々口元から覗かれる鋭い牙はヴァンパイアそのもの、固定観念通りだった。


ユーマ「ルキの奴狂ったんじゃねーの?こんな場所に雌豚を連れて来るなんてよ!」

「ちょ、雌豚言うな!てゆか‥‥この雰囲気…な、なんか怖いね」


きょろりと周りを一望する。なんとも言えない異様な雰囲気に背筋がぞくりとした。いくら外見が似てるとは言え、笑った瞬間に垣間見える牙にたじろいてしまう、


ユーマ「ったりめぇだろ!フツー誘われたからって人間がこんなとこ来るかよ」

コウ「そうそう、ふつーナイよねぇ。本当っ、エリア神経図太すぎでしょ?」

アズサ「‥‥ふふふっ、気をつけて。俺たちから離れたら‥‥ぽきっと‥殺されちゃうからね‥」

「ええっ!?」


どういうこと?!初めて聞いたよそんなの!、目を見開いていると周りに居た三人は呆れたように顔をしかめた


コウ「何、なに?知らなかったのー?今、俺たちの魔力でエリアの人間の匂いを消してるんだよっ、俺たちヴァンパイアの中にいたら‥‥どうなるかくらいわかるでしょ?」

アズサ「…ルキのパートナーなら大丈夫、たぶん…。周りの奴らにバレることはないと思う…」


心配するどころか当然のようにいいのけるコウとアズサに唖然とする



(こんな場所、せ、生命の危機だわ!)



「ねぇ、ルキ、私大丈夫なの?なんか怖くなっちゃって‥」

ルキ「…何を今更。俺を舐めてくれるなよ、人間の匂いを消すくらい造作もないことだ‥‥」


ユーマの後ろに身を隠しながらそっとルキに囁くと、腰をぐっと引き寄せられた。私の怖れなど解することなくいつもの様に余裕の表情を浮かべる。そう、私の大好きな表情で。


ルキ「…しかし、俺の元から離れることがあるならば、命の保証はできない」

「っ!!」


反射的にルキの腕に縋り付いてしまう。まるでルキに命を託す様な感覚。そんな私の様子を見てルキは短く笑った。


「る、ルキ、ごめん、うっとおしいかもしれないけど‥ずっとこうしてていい?」

ルキ「‥‥あぁ、勝手にしろ」


こっちは身の危険を感じているというのにご満悦気味に笑うルキに顔を顰める。もし私が知らないヴァンパイアの餌になったらどうしてくれるのだ!しかし、とりあえず許可は得た、ぎゅっとルキにしがみつくと恐る恐る周りを見渡しながら私は未知の場へと足を踏み入れた



(02へつづく。)

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