diabolik lovers
03.漏れた声。
(無神ルキ×エリア)
「うわああっ、!?」
体育の時間。バスケットボールの試合をしていた時、突然視界が揺らいだ。同時にくる激痛と熱。
友人A「ちょっ、エリア?!大丈夫っ?!」
先生「?!っ、タイム!‥青山しっかりしろ!」
コートに駆けつける先生と友人たちの姿がぼんやりと見えた。
どうやら履きなれないバッシュに足がもつれたようだった。大層派手に転んだので恥ずかしすぎる。出来れば触れて欲しくないのだが、そんな事を言ってられないほど足は熱を帯び次第に腫れ始めていた
「あああ、痛いっ、先生やばいコレ。やらかしたわ」
先生「無駄口叩いてないで、ほらっ保健室行くぞ」
(っ痛〜!?)
1、2、3!、
掛け声が聞こえたかと思うと肩に腕を回された。このままケンケンして保健室まで行けってか?幸先遠すぎるわよ!
(あうっ、痛っ!!)
飛び跳ねる度に震えが右脚に伝わる。涙が出そうになるのを耐えながら隣の男子コートを横切ろうとした時ー、
?「先生、俺が連れて行きます」
聞き覚えのある声が頭に響いた、そっと顔を上げると‥
「っ!!」
先生「ああ、無神か。悪いが頼めるか?たく、あいつら勝手に始めやがって!おいっ!お前らっ!」
「えっ、ちょっ、先生?!」
残された生徒達が勝手に試合を再開し始めたらしい、先生はぎゃあぎゃあ騒ぐコートに目を向けると直様元居た場所に戻っていった
(ど、どうすればいいのよっ!?)
目の前にはさも楽しげに笑う無神くん。一気に血の気が引いたのは言うまでもなかった
▼
「んっ‥‥ふぅっ」
ルキ「‥‥はっ、んっ‥‥」
お決まりの保健室での秘め事。保健の先生不在からのベッドでの行為だなんて王道すぎて笑えない。
私をベッドへ下ろすと、無神くんは柔らかく笑った。その笑みは一瞬でヴァンパイアのものへと変わる。無神くんは負傷した足にのしかかってきたのだ、あまりの痛みに声もでない私を見下ろして至極愉快気な笑を漏らす
‥‥それまるで、これから始まる行為に逆らったら命はないと脅すように‥
(私が拒否できないの‥知ってるくせにっ、)
▼
ベッドのスプリングと服の擦れ合う音が更に激しくなる、吸血される痛みに勝る快楽。
自らの手で口元を塞いでいたが、呆気なく無神くんによって引き剥がされる、それと同時に律動が再開された。溢れ出す悦声と水音。ガクガクと震え始める身体、収縮を繰り返す私のナカ…
(ダメ、誰か来ちゃうかもしれないのに!、でも…声、我慢出来ない…!)
ふっ、と私のなかで限界を超えた瞬間、発せられたのは取り憑かれたように鳴くイヤラシイ声だった
「んやああああっ!‥‥ああっ、はあっ、ん!」
ルキ「っ…くくっ…!いい声だ、曝け出せ…んっ、お前のすべてを…」
掻き抱くようにして私を包み込むと、胸の膨らみに牙を打つ。
ぐさり、骨まで貪るような牙の痛み。その後にくる濡れた舌の感触。激しい行為に眩暈を起しそうになるも、優しく私の手を包み込むように握ってくれるのが嬉しくて。
(やだ、痛いのに…気持ちいいっ)
ルキ「…ふっ、…んっ‥‥くっ、んん…」
無神くんの時々くぐ曇った甘い吐息。そして快感を我慢しているような喘ぎ。それらが耳に入るたびに私の身体の芯は熱くなり、蜜が絶え間無く溢れ出していく
ルキ「くくくっ、…はははっ!そうだ…快感に酔いしれろ…お前は…俺の……」
「はああっ、………いっ…!」
キャン、とまるで仔犬が鳴くように。高い声とともに達してしまった
薄れゆく意識の中、感じたのは無神くんの妖艶な表情と唇の温かさだけ。最後の言葉を聴くことなく、私は縋るように無神くんの服を掴んだ
隣のベッドに人がいる事も知らずに…
▼
「ちょっとエリア!逆巻くんが呼んでるよ…」
「‥‥逆巻?えええっ、?」
行為後、何事もなかったかのように平然を装いながら過ごす休み時間。その平穏な時間を一変させたのは、興奮しきった友人たちだった。いつもなら逆巻と聞いたらきゃあきゃあ、と騒ぎたてるのだがそんな気分になどなれない程身体が怠い。
(あー、もう‥‥腰は痛いし、貧血でフラフラするし、そっとして欲しいのに‥てゆーか逆巻ってどの逆巻よ?)
疼く下半身と牙の跡。一瞬でも気を抜いたら痛みと快楽に溺れていた先程の自分が現れそうで‥‥怖かった。
「ごめん、今いないって言って」
ばれないよう、十分に気をつけながら友人たちの方へ振り返ると‥‥
?「…アンタ、殺されたいの?」
「ぎゃああああっ!」
がしっ、爪が頭皮に食い込む。痛い。これ絶対血でてるよ、だなんて張本人を睨みつけると、そこには見下ろす冷たい視線が。
(何が呼んでる、よ。我が物顔で他人の教室入ってきてるじゃない!)
涙目で見上げると愉快そうに笑うのは‥‥逆巻シュウだった。学年一の美形と言われるだけある、冷たい笑みであればある程放たれる色気が半端ない。
「ななな、なによ」
シュウ「アンタさ…保健室でヤってただろ、無神とかいうヤツと」
(っ、、!?)
シュウ「旨そうな血の匂いがしたからな…アンタ馬鹿だろ?隠してるつもりだろうが、そんなんじゃ直ぐに解るぜ‥‥?なあ、俺にもヤらせろよ」
私の顎を掴み、ぐいと顔を近付ける逆巻シュウ。
水をうったように静まり返る教室、全ての視線が私と彼に向いていて…
(な、なんで…)
全身から噴き出す嫌な汗。否定することすら困難で。私は逆巻シュウの視線から逃れることはできなかった。
03.漏れた声。
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