heart
ああ、今日は世界で一番幸せなの!





私にとって世界で一番大切な日は自分の誕生日。それ以外基本どうでもいい。だから誕生日の数日前から私は自身で計画を立てていた。
だってさ、あっちの世界なら友達やら家族やらに祝って貰えるけど、こっちの世界じゃ私の誕生日誰もしらないからね。てゆか自分自身「今日誕生日なんだ!祝って〜」だなんて言うの残念すぎない?痛すぎるよね。だからこの日は思いっきりエンジョイするの!!!お気に入りのお洋服着て素敵な所いって、欲しいもの何でもかっちゃうんだから!!!、え?もちろん一人ですが、何か?他人に強制的に"おめでとう"だなんて言わせる位なら自分自身でハッピーなことした方がいいの!
さっきキャプテンに島の滞在日数聞いたら私の誕生日の日までいるみたいだから楽しむしかないわっ!!!
ああ、早く誕生日にならないかなっ!










「え゙、!!!出航する?!!!」

ロー「(なんだコイツ?)ああ、ログも貯まったし長居する必要はねェだろ」

「えっ〜!!!あと1日だけ!!!今日1日は滞在したいの!キャプテ〜ン!!!」

ロー「なぜだ?理由を言え」

「…、。」

ロー「無いなら出航する、いいな?」

「えぇ〜っ!!!?」

ロー「…。お前いい加減にしろよ、」





キャプテンがそろそろキレてきたらしくドスのきいた声をだし睨みながら言う。
いつもなら恐怖のあまり直ぐに言うこと聞くんだけど今日ばかりはショック過ぎてそんなん気にしない、あー、もう!!!じゃあ私誕生日は船の中?!ナンセンス!!!




「う〜っ、、」

ロー「だいたいお前そんな格好して出かけるつもりだったのか?」





依然としてイラついてらっしゃるキャプテン。
私の全身をみやると訝しげに問いかけてきた。
私はお気に入りのワンピースを着て化粧もばっちりでいざ、出陣!!!スタイルだったから、キャプテンも私が出ていく理由が気になるらしい




「今日1日ぐらいエンジョイさせてくださいよ〜っ!」

ロー「何度も言わせるな、消されたいのか」

「私誕生日なんです〜ぅ、」




あーあ、いっちゃった
まあいいや、これでキャプテンも少し位我が儘きいてくれるよ「だから何だ?そんな理由で進路を代える気か?」





………、今なんと?





ロー「言いたいことはそれだけか?、船出すぞ」




そう言い、キャプテンは何事もなかったかのように去っていった。

……。てゆか酷くない?!別に1日位滞在したっていいじゃんか!急いでるわけでもないのにさ!それにあの言い方!、確かに私の誕生日なんてキャプテンには毛頭関係ないけど、少しは私の我が儘聞いてくれたっていいじゃんか!なにもキャプテンに"おめでとう"って言ってくれだなんて要求してないのよ!、キャプテンは私にあまりにも無関心すぎるよ、ああ、悲しくなってきた……。





「………っ、」




私だけが特別になれる日なのに。
何でこんなに最悪な気分なんだろ。




私はなにもする気分になれず自室に直行し化粧も落とさずに即寝た

(波の揺れを感じないようにするため。
自分の世界で皆がお祝いしてくれている夢をみるため

ああ、私ばっかりキャプテンのこと好きだな、まあしょうがないか、私が勝手に好きなだけなんだからね)










ん、

バチっと目が覚め暗闇に目が慣れてきたと思ったら脳も活動をし始めてきた。
あ、そいや私寝てたんだ。

窓がないため外の様子を窺うことは出来ないが、周りの静けさからすると皆寝てるみたい

てことは夜か。

あーあ、世界で一番大切な日を寝て過ごしただなんてもう笑うしかない。
てゆかとりあえずなんか飲みたい、結構泣いたしな




私はのそりとベッドから抜け出すと音をたてないよう食堂を目指した。








あ!私アイスクリーム買いだめしてたんだ!もう、全部食べてやるんだから!!!
そう思いアイスクリームを手に抱え、誰もいない食堂を後にし、甲板に出るため扉を開いた。

その瞬間、










「「「「シリキ、誕生日おめでとーー!!!」」」」






扉を開いた瞬間、外の涼んだ空気と共にクルー達の大歓声が私の全身に響いた




え、なに?、なにっ?!




未だに訳のわからない顔をしているであろう私にシャチがビールジョッキを持たせペンギンやベポが私を引っ張り出す、



シャチ「シリキ、はぴば〜!!!」

ベポ「今日は宴だあ〜っ!」




すれ違うクルー達一人一人がにっこり笑って私にお祝いの言葉を投げ掛けてくれる、その一言一言が本当に嬉しくて、幸せで。私は涙を堪えながらとびっきりの笑顔でありがとう、と感謝の気持ちを伝えた。



皆が嬉々とした中、何時にも増して大賑わいの祝賀会が船上で開かれていた、シャチやペンギンはコックさんが作ってくれたバースデーケーキの配分でケンカに発展、(しまいには二人して何十人分のケーキをまるまる私にくれると言い出した)、ベポは皆の元にお酒や料理を配ってた、(デキ女ならぬデキ熊?)





そんな中、やっぱり……、
キャプテンがいない。







やっぱ私のことなんて気にならないんだ。
なんて陰気くさく考えてたらペンギンが私に新しくお酒を注ぎに来てくれた





ペンギン「ほらシリキ、飲めよ」

「あ、ありがとう!そいえば今日ありがとうね、よく私の誕生日だってわかったね、」




少し酔っぱらい気味のペンギンに何の気なしに問うと、返ってきたのは。









ペンギン「ああ、だって船長命令だからな」








………え?、

「きゃ、きゃぷてんが?!!!」

ペンギン「は?そうだよ。なんかいきなりおれら集めてシリキの誕生日の宴会船上でやるからすぐ準備しろってよ。まあ、おまえにこの船での思い出作ってやりたかったんじゃねえの…………って、シリキ?」






私はペンギンの言葉を最後まで聞き終えることなく船長室へと直行した


(あ、やべ、これ絶対言うなって言われてたんだ……。)











「キャプテン!!!」


バンッ、と大きな音をたてノックも無しにキャプテンの部屋に入る、それと同時にキャプテンにしがみつくように抱き付いた




ロー「!、おい、なんだ、」

「キャプテン、大好き!!!」

ロー「!?、」




キャプテンが離せだなんて引き剥がそうとしたって無駄な位、ぎゅーっと抱き付く。
それでもキャプテンは嫌がることなくそのままでいてくれた





ロー「たく、単純なやつ」

「キャプテン!!!すきすきすきっ!!!」

ロー「………っ、」

「大好き、ありがとう。本当に嬉しかった、」



にっこり笑ってキャプテンを見るとキャプテンは優しい目をして頭を撫でてくれた。







ああ、今日は世界で一番幸せなのっ!!!




ロー「おまえが素直だと、」

「素直だと?」

ロー「フフ、」

「なんで笑うのキャプテン?!、」

ロー「すげェ可愛い、」

「……!!!、」





そう言ってキャプテンはおでこに唇を落としてくれたんだ、

(ありがとう、みんな、ありがとう、キャプテン、)

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あきゅろす。
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