heart
お前がいるから、
男と女は根本的に違うだなんてわかってましたとも!
あ、性的な意味でね。
「私も行きたい!連れてってよ!」
ペンギン「だめだ」
シャチ「お前が行っても楽しくねえよ」
「絶対楽しいはず!私も上陸させてよ!」
シャチ「なんだよ、はずって。どうせならもっと断定の形で言えよ」
「楽しいから連れてって〜!」
ペンギン「うるせェ、行くぞシャチ、」
シャチ「あいよっ、」
「えええええ…!」
さっきから私が懇願してるのにペンギンとシャチは一向に顔を縦に振ってくれない。
それどころか奴ら目配せしてコソコソ出ていこうとしている、
ああ!なんて意地悪なのかしら!
約一週間程の航海が続きそろそろ発狂しそうになった頃(だってする事ないんだもん!)どうやら目的の島に到着したようだ。
その島は意外に栄えているらしい。
ログをためてる間ショッピングやら美味しいスイーツ巡りでもしようかしら!最近髪の毛プリンになってきたから美容院にも行きたいわ!、……だなんてウキウキしてた所でまさかの船番!船番って何?仕事内容船守るの?ナンセンス!私戦闘能力ないから自分の身守るだけで精一杯なんすけど!!
しかしぎゃーぎゃー喚いてもシャチとペンギンはNO!と言い続けるのだ
「何で私も連れてってくれないの?」
シャチ「…。お前なー、察しろよな、いま夜だろ」
「夜だから?」
シャチ「わかんねェ奴だな、ヌキにイくんだよ、ヌキに」
ペンギン「シャチ、お前ストレートすぎ、」
「じゃあ私もヌキにいくわ、君たちとは違うお店だけど」
シャ・ペン「「えええええ、」」
結局私は行かせてもらえず、この割と広めな船で留守番命令が出された。んだよ、ちくしょー、私だってオシャレしてたまには陸上がりたいよ。あ、キャプテンにお願いしてみようかな、うん!キャプテンならわかってくれる「だめだ、」
「わあっ、!キャプテン!」
いきなり背後から現れたキャプテンに驚きつつ、いきなりのダメ出しに憤りを感じる、
「キャプテ〜ン!私も上陸したいっす、」
ロー「うるせェ、お前はおれと船番だ」
「え、皆は?」
ロー「ヌキに行った」
「いや、そこもっとオブラートに言って欲しかった、」
キャプテンは片手に持っていた本を閉じ、おれの部屋にコーヒー持ってこい、とだけ言うとさっさと行ってしまった。
しょうがない明日また頼んでみよう、とりあえずコーヒー持ってかなきゃな、私はキッチンへと足を運んだ
「キャプテンはヌキに行かないんですか、それとも自己処理してるんすか?」
キャプテンの部屋に入って第一声目がこんな発言。レディとしていかがなものかとは思うが知りたいという気持ちが言葉に出てしまったようだ
ロー「……いいだろう、教えてやるよ」
キャプテンが至極楽しそうな笑みをこぼし私の元へと近付いて来たので、やっぱいいです、と即答した
以前彼が「おれの性欲は誰にも負けねェ、異議あるやつはかかってこいよ」など下らないことを豪語していたのを思い出す。
ペンやシャチのように遊び回ってるのかと思ったらそうではないらしい、まあ正直そういう店にはやっぱり行ってほしくはないよね、彼女でもなんでもない私が言うのもあれだけどさ。
ロー「おい、聞いてんのか」
はっと気付くと呆れた顔をした(その顔むかつく、)キャプテンが手招きしている。
なんだなんだと思って近寄ってみると、
ロー「おれの調合した即効性の高い媚薬だ。あとこっちは何度中出ししても絶対的に孕まねェ避妊薬。すげェだ「全然、すごくねえよ!!」
さも自慢気に見せびらかしてきたキャプテンを一喝する。頼むから黙っていて欲しい、口を開くなこの変態めが!
ロー「‥‥。よし、最後の実験に入る。こんな凶暴で女らしかぬ性格をしたお前がこれを使ったらどうなるか試してやろう。フフ、有り難く思え」
そう言い、ジリジリと歩み寄るキャプテンからどう逃げ出すかで(たぶん無理だな、)頭が一杯の私、
「いやだあぁあー!」
ロー「フフ、もっと鳴けよ」
「いや、嘆けの方ね、」
こんな二人っきりのおばかなやりとりが彼の欲求の解消となっているだなんて知るはずもなかった。
お前がいるから、
(出かけるよりずっといい、)
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