Another World〜新暦世界〜
新暦205年 水の守り
夕方 何処かの飲み屋だろうか。
蛇口の水が流れてる・・・
誰かが奥の方で頭を抱えて座っている
女性が泣いている・・・
というより・・・
苦しんでいる・・・
蛇口の水はそんな彼女を気にせず流れ続け
ている。
松恵『ダメ・・・ね。・・・』
健次郎『・・・松恵ちゃん?』
松恵『はっ!?こないでっ!!』
松恵は健次郎に怯えるようにしてうずくまった。
健次郎『・・・どうしちまったんだ。』
松恵『・・・みっ・・・見えるの・・・貴方の後ろの黒い影・・・イッ!イヤァー!!お願いだからこないでぇ!!!』
健次郎『松恵・・・』
健次郎は松恵に近づこうとした。
松恵『近づくなっ!!近づくと・・・殺すわよ!!!』
健次郎『仕方ねえなぁ・・・あんま強引なことはしたくねぇんだが・・・』
健次郎はニヤニヤしなが松恵に近づいた。
松恵『イヤアァァァ!!!』
松恵は叫びながら健次郎に包丁の刃を向けた。しかし健次郎はいとも簡単にすり抜け、松恵の手首を捻り、包丁を受け取った。
健次郎『松恵ちゃん・・・好きだったよ。でもねぇ。もう終りだなぁ!!』
松恵『アァっ!!』
健次郎は松恵を弾き飛ばし包丁を片手に松恵に遅いかかった。
松恵『こないでぇぇ!!!』
健次郎『うわっ!!』
誰がこの事態を信じるだろう・・・流れていた蛇口の水が人のような姿をして健次郎に襲いかかり、松恵を守った。
健次郎『うわっ!くっ!なんだ!!なんなんだテメェ!!!』
健次郎は慌てて包丁を投げ捨て、逃げさっていった。
松恵『はぁぁ・・・あぁぁ・・・また・・・やっちゃったよ・・・だから近づくなって言ったのに・・・バカだねぇ・・・』
水は松恵を守った。これは一体どういった現象なのだろう・・・水が人のような姿をして彼女を守ってみせた。
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