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ザ・シンラショウ
ドリームチャンス
真っ暗なスタジオの中、ふたりが立つ舞台にのみピンスポットが当たっている。
MCが座っていた椅子が外され、MCは宮城の近くに立っている。
MC「いよいよ、ドリームチャンスへの挑戦を残すのみとなった。
では、改めて聞こう。
宮城、お前の夢は何だ?」
ゆ「自室の完全防音化を希望します」
MC「お前が師事する森羅大統領♂は、以前ドリームチャンスをクリアしたことがある。
…『師匠』を超えられるかな?」
観客、笑い。



(TV-5スタジオ)
森羅大統領♂(以下♂)
「ハ、ハックション!
…失礼しました。
どうやら、誰かが僕の陰口を言っているようですね…割と近くで」
大統領♂、TV-1スタジオのある方角を向く。
観客、苦笑。
(一部解答者、爆笑)
♂「では、足を引っ張ったと思うウィーケストリンクを、ひとり書いて下さい」



(再びTV-1スタジオ)
MC「ドリームチャンスは、選択肢はない。
口答となるが、『導きの手』使用時は4択となる。
では、参ろう……問題!」

MC「宮城ゆかな、桑原明日菜に共通するパーソナルデータは何だ?」
DREAM CHANCE.
宮城ゆかなさんと桑原ACTVアナに共通するパーソナルデータは?

ゆ「うーん……」
MC「ん、分からないのか?
お前はまだ、2つも奥義が残っている。
残してもボーナスは付かないから、使った方が…」
ゆ「では、任意奥義で『導きの手』をお願いします」
MC「分かった…任意奥義・導きの手!」
画面に4つ全ての奥義が表示され、その後導きの手を残して3つが消える。
MC「では、この問題は4択問題に切り替えよう」
問題の下に出ていた生タイプ用表示窓が、通常の4択用表示に変わる。

MC「A.元カレが同じ、B.初体験の相手が同じ、C.父親が同じ、D.母親が同じ」
A.元カレ B.初体験の相手
C.父親  D.母親

ゆ「あの…私はいいんですが、宮城さんに許可は取っているんですか?」
MC「この番組の問題は、解答者以外の関係者には許可を取っている。
安心しろ」
観客、苦笑。
MC「さて、では観客諸君に聞こう。
正解と思うものを、選んで押すがよい!」
そうMCが呼びかけるが、片手で数えられる人数しかスイッチを持たない。
MC「……貴様等、この私を本気で怒らせたいのか?
朝日を見れない体にしてやろうか!?

観客が慌ててスイッチを持ち、ボタンを押す。
A.ロロロロロロロロロロロロ 30%
B.ロロロロロロロロ   21%
C.ロロロロロロロロロロロロロ33%
D.ロロロロロロ    16%

MC「一応Cが多いが…Aはあまり差がないし、少数派のDも切り捨てられるほどの大差があるわけでもない。
さて、こうなるともうひとつの奥義を使うことを…」
ゆ「私の予想ですが、残ったルーレット奥義を使ったら召喚が出て、森羅大統領♂さんが出てくるんですよね?」
MC「…当番組のルーレットは細工が出来ないし、大統領♂は今TV-5で収録中だからここには来られない。
あまり深読みするな」
ゆ「だとしたら…」
まだ何か言おうとしている宮城を無視して、「ルーレット奥義」を宣言するMC。
観客、笑い。

画面に、4つの奥義が表示される。
MC「ルーレットスタート!」
光が回り始めると、すぐに宮城がボタンを押す。
画面には、以心伝心の表示が残る。
MC「以心伝心!
では、中継を繋ごう。
さて…どこと繋がるかな?」

(TV-5スタジオ)
♂「ラウンド5。
現在の獲得金額は、309万円。
あまり高くない……え、中継ですか?」
(TV1:MC)「やはりお前に繋がったか…」
(TV-1観客、笑い)
♂「やっぱりそっちで、僕の悪口言ってたんですね?」
観客と一部の解答者、笑い。
(TV1:MC)「宮城ゆかなが、お前の助けを待っている。
…宮城」
(TV1:ゆ)「大統領♂さん、お久しぶりです」
♂「お久しぶりですね。
で、どんな問題ですか?」
(TV1:ゆ)「私と桑原アナウンサーの共通点は?
…と言う問題で、導きの手を使って4択にしました。
選択肢は…元カレ、初体験の相手、父親、母親」
♂「…SHINRAさん、生放送で何てキツい問題出してるんですか」
(TV1:MC)「私が作った問題ではないぞ…」
(TV-1観客、苦笑)
TV-5スタジオの観客、笑い。
♂「二人の元カレは一人も知りませんけど…。
父親は違いますよね、確か。
桑原のおじちゃん(=桑原の父)とゆ〜…宮城さんのお父さんは、知り合いみたいですけど。
初体験の相手も違うはずだし…」
(TV1:MC)「…元カレを知らないのに、何故初体験の相手を知ってるんだ?」
(TV-1観客、笑い)
TV-5スタジオの観客、爆笑。
(TV1:MC)「分かった。
では、こっちに引き取る」
(TV1:ゆ)「大統領♂さん、ありがとうございました」
♂「いえ、大した役に立てずすいませんね」

(TV-1スタジオ)
MC「…色々言いたいことがあるが、リミットが3分を切ろうとしている。
申し訳ないが、そろそろ答えてくれ」
ゆ「…これまでの問題とは、内容がガラリと変わってますよね?
本当に分からないんですが…」
画面に、残り時間が表示される。
LIMIT 2:58

MC「奥義はもうない。
あとは感で答えるか、ギブアップをコールしてくれ」
ゆ「…ギブアップはしません。
SHINRAさんは、答えをご存じなんですよね?」
MC「ああ、詳細までは知らないがな」
宮城が考え込む。
スタジオは、物音ひとつしない。
(放送上は、かなり薄くBGMが流れている)
LIMIT 1:21

MC「………」
MCが、徐々に苛立ちを隠せなくなっている。
ゆ「…じゃあ、答えますよ。
Dです」
MC「…………」
ゆ「…………」
LIMIT 0:44

MC「正解だ!」
CONGRATULATIONS!

照明が明るくなり、紙吹雪が舞う。
ファンファーレが流れる中、MCが続ける。
MC「ドリームチャンス、クリアだ!」
観客の拍手がまばらだったが、MCが睨むとかなり激しい拍手に変わる。

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あきゅろす。
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