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ザ・シンラショウ
プロローグ
ザ・シンラショウ第21回放送終了後。

(MC SHINRAの楽屋)
MC SHINRA(エムシーシンラ)の楽屋には、つい先程シンラショウの司会を勤めたばかりのMC本人がいた。
MC「………」
MCが3つある携帯電話のうち一番古いものを取り、どこかにかける。
MC「…お久し振りです。
………はい、そうです。
……今日は、貴方にお願いがあって電話を………はい、そうです。
では、来週……お願いします。」



(放送前日・TV-1スタジオ)
シンラショウセットの組まれている、TV-1スタジオ。
全体リハーサルを1回、部分リハーサルを部分毎に数回行ったところだ。
※ザ・シンラショウは、放送前日にリハーサルを行う。
(放送当日は、機材・カメラワーク・出題の最終確認のみ行われる)

最後の全体リハーサルが行われようとしたその時、突然MCが体調不良を訴えた。
A1(AD1)「だ、大丈夫ですか!?」
MC「大丈夫じゃないから言っているんだが…」
A1「す…すいません!
すぐに医務室に…」
MC「すまないが、よろしく頼む」
ADに連れられ、スタジオを出るMC。

(局内・スタッフルーム)
ザ・シンラショウのスタッフルームには、番組スタッフほぼ全員が揃っている。
朝(自称朝倉和美/AD)
「皆がいると、流石に狭いわね…」
レ(R.E.N./AD)
「それは仕方ないですよ…って、それどころじゃ…!」
リ(リーウェル・フォックス/プロデューサー)
「そうですよ、SHINRAさんが倒れられて明日の放送のピンチなのですから」
レ「…フォックスPは相変わらずドライですね。
SHINRAさんの容態は気にならないのですか?」
リ「彼女なら、命に別状はないそうよ。
…レン君、私達が今しなくちゃいけない事は『MC SHINRAの代替司会者のブッキング』よ。
放送に穴を空けるわけにはいかないのよ、分かって頂戴」
レ「………」
朝「あの…プロデューサー?
『あの人』にお願いしたらどうでしょう?」
リ「『彼』には、他にすることがあるから無理だそうよ」
ゆ(徳本ゆかり/照明)
「なら…この人は如何かな?」
照明技師の徳本が、フォックスプロデューサーに一枚の写真を見せる。
リ「うん………そうね。
至急、ブッキングに当たって頂戴。
決まり次第携帯に連絡してね、すぐ番組表を書き換えてもらうから」



(放送当日・TV-1スタジオ)
放送当日のスタジオ。
あと1時間足らずでシンラショウが放送開始されるが、スタッフはかなり焦っている。
番組MCのMC SHINRAが前日に倒れ、今日は代替司会が番組を進行することになっているが、その代替司会がまだ到着していない。
A2(AD2)「はい…まだ来られていません」
インカム:有(名都瀬有美/セカンドP)
[困ったな…オープニングの打ち合わせとかを考えると、そろそろ来ていただかないと…]
A1「あの…名都瀬さん?
そもそも僕達、誰が司会をやるか聞いてないんですが…」
インカム:有[一応私は聞いてるけど、ちょっと情報規制があってね…。
来たら分かるようになってるから]

30分後(番組開始まで30分足らず)。
スタジオは客入れ(観客の入場)が始まったが、まだ司会者が到着する様子はない。
すると、同じフロアにある別スタジオで先程まで番組収録をしていたあの男がスタジオに入ってきた。
レ「…え!?」
森(森羅大統領/会社員)
「オーッス、スタッフ諸君。
差し入れ持ってきたよー」
両手にコンビニの買い物袋を持った森羅大統領が来ると、近くにいたADに袋を渡す。
森「後で配っといてね」
レ「え…代替司会って、大統領さんだったんですか!?」
AD R.E.N.が驚きを隠せない様子でそう言うが、すぐ大統領が否定する。
森「うんにゃ、僕じゃないよ。
シンラストリンクの収録が終わったら来て、とは言われたけどね」
スタジオに下りてきていた名都瀬が、大統領の後ろに立つ。
有「…会われました?」
森「うん。
本番には間に合うから、安心して」
A2「でも、打ち合わせしないといくら間に合っても…!」
森「大丈夫、すぐ始められるから」
大統領の言葉にまだ半信半疑のADだが、名都瀬が軽く頷くと黙って準備に戻る。

本番まで、あと僅か…。

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あきゅろす。
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