シスコン☆プリンス
2
「何がだ。」
「ぎゃあ!ちぃ兄!?何でここに!」
いつの間にか四人の後ろに風間がいて飛び上がると、その反応を心外だ、とばかりに長いため息をついた。
「帰る家が同じなのだ。道が一緒でも何ら問題はない。」
「出てこなくたっていいじゃんか…。一人で帰ってよ。」
天龍が頭を抱えてしゃがむと、千鶴がきょろきょろと周りを見渡した。
「…あれ、いつものお二人は…?」
「これを求めて旅立った。」
風間はそういって鞄の中から一枚の紙を取り出した。
「'タイムサービスを狙う'と言っていたな。」
「「「「主夫!?」」」」
「?普通だろう。」
「いや、うちん家ならそうかもだけどね!」
大空 天龍、改めて風間家は他の家と違うことを再確認しました。
*****
「ちぃ兄も運動会出るんでしょ?」
家についてから聞くと、風間は天霧に命令されたのであろう、洗濯物を取り込みながら返事をした。
「出ない。」
「えっまじ?」
「本部のテントから出たら日焼けしてしまうではないか。」
「お前は女子高生か。」
「それに、俺が汗水垂らして運動するように見えるのか?」
「………想像できない。ってかしたくない。」
「分かればいい。」
なんか言い訳がアレだが、確かにちぃ兄が汗水垂らして何かをやるなんて想像がつかない。
天龍は風間の落とす洗濯物をかき集めて畳み始めると、風間も洗濯物(天龍の服のみ)を持って、そそくさと天龍の隣に腰を下ろした。
「天龍、お前もあのような遊戯に構わず、俺とテントで「うちは運動会大好きだし、楽しみでしょうがないね!!だからテントには近づかない!!」
バッサリ風間の言葉を切り捨てると、風間は天龍の服をギュウッと抱き締めて黙り込んでしまった。
天龍は、自分のだけ後で洗い直さなければと思いながら、他の洗濯物を畳んでいた。
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