シスコン☆プリンス
シスコン兄貴と種目決め
「お前らー!種目決めすんぞー!」
原田が拳を突き上げると、クラス中で「おぉ!」と声が上がる。
季節は5月、体育祭シーズンである。
………何?
時期がおかしいって?
馬鹿ッそこは突っ込むな!
リアルと時期を合わせると大変なことになるんだよ!
気にしたら負けだぜ☆
「いいか!新八のクラスにだけは負けんなよ!」
「「おぉ!」」
皆で士気を上げる中、隣の永倉クラスも触発されたようでざわついてきた。
「いいなぁ!左之のクラスにだけは死んでも勝て!!」
「おっ新八のクラスも盛り上がってんな〜!それじゃあまずは種目決めだ!」
そう言って原田は黒板にいくつもの種目を書いていく。
「全部でいくつあるの?」
「確か…10ですよ。」
「全員リレーは強制だからな、他にもいくつが出ねぇと!」
平助が楽しそうに黒板を眺める。天龍は千鶴と千姫と一緒に黒板に近づいた。
「えっと…
[綱引き]
[借り人競争]
[二人三脚]
[色別対抗リレー]
[玉入れ]
[応援合戦]
[騎馬戦]
[先生vs生徒ガチンコ対決 リレー]
[先生vs生徒ガチンコ対決 綱引き]
[全員リレー]
うわっきつっ!」
天龍が嫌そうに顔をしかめると、千姫が楽しそうに声を上げた。
「二人三脚なんて楽しそうじゃない?」
「私は…借り人競争がしてみたいかな…。」
「俺決めたー!騎馬戦出る!」
「えぇ!?みんな決めるの早い!」
天龍が驚いている中も周りの人間は我先にと黒板に名前を書いていく。
天龍も出遅れないようにチョークを握った。
*****
「結局俺は騎馬戦と色別対抗か!」
「私は二人三脚と玉入れです!」
「私も二人三脚よ!千鶴ちゃん、頑張りましょうね!」
「うん!」
三人が楽しそうに話している後ろで、天龍はキョロキョロと周りを見渡していた。
「天龍は何に出るんだっけ?」
「えっ!?…っと、借り人と先生vs生徒の綱引きだよ!」
「どうかしたのですか?天龍ちゃん。」
千鶴が心配そうに天龍に話しかけると、千姫は理由が何となく分かったらしく、天龍の腕を引いた。
「風間ならいないわ!大丈夫よ!」
「そうかな…すごい怖いんだけど。」
いつもなら心配することはないのだが、風間は天龍との関係が公にされたことでリミッター解除状態にある。
つまり、堂々と天龍に会いに行ける、一緒に登下校が出来るということである。
その兄貴を置いてきてしまったので、後ろからついてくるのでは不安で不安で仕方ないのだ。
千姫もそこは理解している。毎日同じ屋根の下に住んでいれば嫌でも理解できる。
「生徒会長の邪魔がなければいいな!」
平助が笑顔でいうと、天龍は大きく頷いた。
「もし生徒会長が来たら…助けてね!!」
「「出来る限り!」」
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