シスコン☆プリンス
4
白い部屋の窓際にあるベッドに風間が横たわっている。天龍は風間が倒れてからずっとそばにいる。先程から手を握り何度も名前を呼んでいるのだが、反応しない。月明かりに照らされた肌が、まるで死んでいるかのように見える。
「ちぃ兄…ごめんね。次から勝手場に立たないから起きてよ。」
もしかしたら…このまま起きないのか?もうあの聞くとイライラする声が聞けないのか?それはそれでイライラするぞ。
「早く起きてよ。カステラあるからさ…!」
大粒の涙をボロボロと落としながら風間の手を自分の頬に添える。そして何故か優しかった時の思い出が走馬灯のように流れていく…。(←死亡フラグ)
「グズッ…ちぃ兄ーッ!」
「…んっ…」
「!!ちぃ兄ーッ」
天龍が叫ぶと廊下で控えていたらしい二人が、風間の私室に飛び込んできた。と、風間がきょとんとした顔で三人を見回した。
「失礼だが…君達は誰だ?」
「「「………。」」」
「えぇええぇぇえぇ!!?」
「君達ぃ?!」
「記憶喪失…という奴ですか…?」
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