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シスコン☆プリンス
7
ある日、俺は兄貴達から数歩ほど離れて歩いていた。多分放課後の時だった。
何気なく歩いていたら、急に風を切る音がしてなにかと上を見ると、まさかの花瓶が落ちてきた。あまりに突然の事だったから対処が出来なくて、もろに当たった。その大きな音を聞いて前を歩く三人が目を見開いて振り返ってきた。

「!!天龍っ」

「大変だ…頭から血が流れています―っ!すぐに保健室へ!!」

「……。」

不知火と天霧が慌てながらも天龍の両肩を支えて保健室に向かおうとするが、風間は顔色一つ変えずに上を見上げていた。天龍も体に負担がかからない程度に見上げると、花瓶を落としたらしい男子生徒が怯えた声を出して騒ぎながら階段を駆け上がる音がした。それを確認すると、風間はフラリと何処かへ消えてしまった。

「ちぃ兄…。」

薄れゆく意識の中、先生らしき大人が来た所までは覚えているが、それ以外は記憶にない。



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あきゅろす。
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