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シスコン☆プリンス
6
俺が小学三年生の時、兄貴達は六年生だった。
その時はまだシスコンじゃなくて、ただの俺様ドS兄貴だった。例え相手が妹でも。

「ちぃ兄〜!待ってよー!」

「おい!風間ぁ、待ってやれよ〜!」

「小学三年生が私達の歩幅に着いてこられるはずないでしょう。」

いくら天霧と不知火が言っても、兄貴はいつも

'勝手に着いてきている奴に合わせてられるか。'

って言って俺を突き放していた。別にそれでも虐められる訳じゃないからいいと思ってた。でも…やっぱり周りの仲の良さそうな兄妹がいると、羨ましかった。

小学生の頃って好きな人がいるとつい苛めることがある。俺は前にも言ったけどスゲーモテてたからよくあった。最初は無視してたんだけど、どんどんエスカレートしていっちゃって…。上からバケツ一杯の水を掛けられることだってあった。だから、さすがにその時は平助達に相談した。

「かくかくしかじか…なんだよ〜!Help me!」

「へ、へる…?」

「平助君。Help me!は助けて!って意味だよ。」

「きのう習ったばっかりだよ。」

「知るかっ!ってか俺達じゃ出来ることも限られてくるし…。」

「あっそういえば…お兄さんいるんだよね?言ってみたらどうかな…?」

不意に千鶴がそう提案した。皆には'兄貴がいる'とは言ったが、見せたことはない。その時名字は'風間'だったのだが…。小四で'大空'に変えた気がする。まぁ、名前で呼び出すと名字を忘れてしまうからちょうど良かった。
仕方なく俺は兄貴に助けを求めた。天霧達は真剣に聞いてくれたけど、やはり兄貴は関心がなさそうにしていた。

「ちぃ兄…助けてよ。」

「知るか。」

「おい…。いじめだぞ?イ・ジ・メ!!」

「助けるべきですよ。」

二人に言われても兄貴は相変わらず

「自分でどうにかしろ。」

と突き放すように言った。あの事件が起きるまでは…


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あきゅろす。
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