シスコン☆プリンス
8
「不知火、貴方の父親はきていないのですか?」
「おおかためんどくさがって出てこねぇんだろうよ。」
「こちらとしては好都合だ。……さぁ、後は貴方だけだ、頭領。」
「子供の身でそこまでやるとは…私の教育方針は間違っていなかったな。」
「いや、間違いまくったろ。どうしてこんな俺様にした。」
「性格を矯正することをおすすめいたします。」
「貴様ら…。」
風間は青筋を浮かび上がらせつつも、頭領を睨んでいた。さすがに大の大人相手に戦った後の頭領は厳しい。だが、やらなければこちらがヤられる…。
「天龍は…渡さない…!」
「何がお前をそこまで変えてしまったのか…いつもの冷徹なお前の方が似合うぞ。」
「頭領、ご自身と風間を同類にしないでください。」
「天霧…。」
「頭領の価値が下がります。」
「天霧ぃッ!!」
「くっははは!絶対ぇそうくると思った!!」
不知火は腹を抱えながら風間を指差し、風間は天霧に怒鳴り散らすが全く効果はなく、天霧は耳を塞いでやり過ごしていた。
そして、頭領が動いた。
激しい連突きに少し反応が遅れながらも、すぐに順応し体勢を立て直した。すると、天霧が頭領の背に回った。
「目障りだ。」
「そうは…させねぇ!!」
頭領の手が天霧に伸びかけると、不知火は横から飛び蹴りを繰り出し牽制、その隙に風間が真っ正面から突っ込んだ。
「やはり…まだまだ餓鬼よ。」
「ぁっ…!そうだなぁ…餓鬼には厳しいかもなぁ…。」
「?!不知火ッ逃げる気か!?」
突如不知火は攻撃の手を止め頭領と距離を置くと、風間と天霧の背に隠れた。それを見て頭領は鼻で笑った。
「賢明な判断だ…。」
「不知火…貴様!」
「見損ないましたよ、不知…。」
天霧が途中で切ると、すぐに風間の首根っこを掴んで三歩後ろに下がった。すると風間はその手を振り払い二人を睨み付けた。
「貴様らは…。「ぐぁっ!?「?!?!」
突然頭領の断末魔と共にばたりと人の倒れる音がした。風間は目の前の二人がにやついていたのですぐに振り返ると、そこには愉快そうな顔をした男が立っていた。
「あーらら、風間の旦那やっちゃった☆」
「だ、誰だ貴様!?」
「あっ俺の親父。」
「なっ!?不知火のかッ!?」
「どうも!不知火の父親デス☆にしても千景〜おっきくなったなぁ〜♪」
不知火の父親は、血で汚れた子供達の顔を無理矢理首に巻いていた布で乱暴に擦ると、人懐っこい笑顔で三人を抱き締めた。
「匡ーーー!父ちゃん仕事無くなっちゃったよー!」
「頭領ぶっとばしゃあ当たり前だよな。」
「…天霧、本当にこの二人は親子か?キャラがおかしすぎるんだが…。」
「風間、私も最初は戸惑いました。何ともボケた老人だと。本当に不知火家の頭領なのかと。」
「う゛ぐッ…九寿君…君はいつも痛いところをついてくるね。おじさん心が痛いよ〜。(泣)」
「親父、消滅しろ。俺はこんな父親を持って恥ずか「嬉しいかッ!!父ちゃんも嬉しいぞ!匡ー!」
「はーなーれーろーッ!!」
「匡ー!」
「「うぜー!」」
「二人とも、彼はこれでも不知火家の頭領。もう少し言動に気を付けてください。」
「九寿君、今ので父ちゃん結構心抉られたよ。」
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