シスコン☆プリンス
7
「ん〜。長かった。」
「沖田先輩!アレ、間に合いましたか?」
「うん、ありがとう。天龍ちゃん。」
下駄箱に寄り掛かっていた天龍は、沖田が来ると微笑んで出迎えた。彼女のお陰で今日は逃れられた。
生徒指導室に入る直前、天龍が大急ぎで駆け寄ってきたのだ。何事かと話を聞くと、先程天龍は斎藤に沖田から処分してくれと渡されたままの紙を見せて、教えてもらいながら仕上げ、いつか必要になるだろうからと渡しに来たのだと言った。
「さっきはありがとね、天龍ちゃん。いっぱい褒めてあげる。」
沖田が言うと天龍は笑いながら伸びをした。
「二年の古典(の授業)も難しいですね…。私、一年のだけで手一杯です。」
「あれ?天龍ちゃんも古典(の土方先生)苦手(っていうか嫌い♪)なの?」
「はい!(勉強が。)」
そう言って笑いながら俯く。沖田も笑って隣のロッカールームに天龍を連れていった。
「それじゃあ…今日から僕達は仲間だね。」
「?」
天龍が不思議そうに沖田の顔を見つめると、沖田は人差し指をたてながらニヤリと不敵に笑った。
「古典大っ嫌い同盟。…今のところ僕と君しかいないけど。」
そう言うと天龍はお腹を押さえて笑いだした。
「いいですね!古典大っ嫌い同盟!これからもよろしくお願いしますよ、沖田先輩!」
「'先輩'なんて付けなくていいよ。同盟組んだんだから…ね。」
「ハハッ!そうですね、沖田さん!」
そう言って二人は古典嫌いを語り合いながら学校を出て一緒に歩いていたとか。しかも沖田と家が近くだったりと、天龍は沖田と帰り道を楽しんでいた。
後ろでずっと風間がつけていたことにも気づかずに…
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