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シスコン☆プリンス
6
…ヤバイ。今日は本当にヤバイ。いつもなら逃げられるんだけど、今日は自転車を取り上げられ、鞄も取り上げられ、下駄箱から靴が消えている。

「プリント提出しないだけで、ここまですることないんじゃないですか?」

「なに言ってやがる!元はと言えばお前が古典の授業だけ逃げんのが悪いんだろーが!!」

そう言って土方がドカッと椅子に座る。ここは生徒指導室。先程古典のプリントの件で土方に呼び出されてしまったのだ。と、土方が教科書をバンッと机に叩きつける。

「さぁ…。いつ提出するんだ?」

「いつ提出して欲しいんですか?」

「今すぐに決まってんだろぅが!!!」

土方が怒鳴る。と、沖田は長い溜め息をついてポケットから一枚のプリントを出した。それを見て土方の動きが止まる。沖田はニヤニヤしながらそれを見せつけた。

「はい。出しましたよ。」

「……何?」

さすがの土方も目を細めて今目の前に出された紙を見た。中身を確認すると確かに今日の昼までに提出する宿題のプリントだった。しかも全問正解なのだ。土方は疑いの目で沖田を見た。

「…お前が、やったのか?」

「当たり前じゃないですか。他に誰がやるんですか?」

そう言うと、廊下から原田が顔を出した。いつも通り腕捲りをし、ネクタイを緩めている。原田は机の上にあるプリントを見て楽しそうに笑った。

「おっ!今日は真面目にやってたんだな。槍が降りそうだぜ!」

「酷いなぁ…原田先生は。」

「……。」

「それじゃあ僕の返してください。帰りたいんで。」

沖田が言うと土方が小声で返事をして物をしまいこんだロッカーの鍵を渡した。沖田はニヤリと笑うと「毎度アリ〜♪」と言って部屋を出た。



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