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シスコン☆プリンス
4
「ねぇ〜、天龍ちゃんってさ。もしかして生徒会長の妹?」

「は…?」

早いぃぃ!気付くの早すぎ!天龍は内心焦りながら平静を装った。

「私が…ですか?冗談キツいですよ〜沖田先輩!」

「僕…昨日見ちゃったんだよね〜。風間の家に君が入っていくの。」

「!!!」

さすがに今のは隠せなかった。すると沖田はニヤニヤしながらおもむろに携帯を取り出した。天龍は目を細めてそれを見ると、そこには自分の家に入っていく自分が映っていた。

「なっ―これ…は。」

「昨日早退したらちょうど風間達を見つけてね。追いかけてったら数時間後に君が来たってワケ。」

ストーカー!?ってか、私が来る間何してたんだっこの人?!と、心の中を読んだのか、クスクスと笑った。

「ゲームして時間潰してたんだ。いや〜それにしても、君のお兄さんがあの風間なんて…。君も運がないよね?」

「はぁ…。」

頷こうともせずに一応返事をする。どこをどう間違えて兄妹になったとしても、もう後戻りは出来ないのだから、今さら悔やんでも仕方がない。と、天龍は沖田のカーディガンから出ている紙切れを見つけた。

「これは…?」

「ん…?あぁ。それは古典のプリント。要らないからあげようか?」

「いや、私も要りませんけど―…。これ、提出期限今日の昼までですけど。」

天龍が指摘すると、沖田は苦笑いをした。

「僕、古典(の土方さん)って嫌いなんだ〜。本当は他の人に答え写させてもらおうとしたんだけど。皆出すの早いよね〜。」

つまり、沖田だけ出していないと言う事か。と、そんなことをしているうちに委員会室に着いた。

「それじゃあ、僕はこれから保健室に行ってサボらなきゃ☆」

「あっ…待ってください!沖田先輩!」

天龍はさっきのプリントを見せると、沖田はにこりと笑って

「処分しといて♪」

と笑顔で言った。天龍は軽く殺気を感じたので、そのままプリントを持って部屋に入った。

「斎藤先輩、呼び出しで来ました。一年の大空です!」

「…南雲ではないのか?」

あれっ?もしかしてどっちか、じゃなくて薫呼び出しだったのかな?

「えっ…と、薫連れてきますか?」

「重い荷物を持てるなら誰でも良い。」

「なら、私で十分です。」

よくカステラ一ダースを片肩に乗せて歩いているし。天龍は斎藤の指示通り新しい教科書を全てのクラスに運び出した。



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