[携帯モード] [URL送信]
2
なんだこの訳の分からないお題は。

そう思って、でもとにかく何か書かなきゃと必死に用紙を埋めた覚えがある。


面接だっておかしかった。
いきなり「得意料理はなんですか」とか聞いてきて、作ったこともないくせに、「パウンドケーキ」だ、なんて答えたんだっけ。
しかもありったけの笑顔で。


「…ははっ」


乾いた笑みが漏れる。
人間、あまりに衝撃的なことが起きると笑うしかなくなるのかもしれない、と心の片隅で思った。

だって、本当にどうしようもない。

今さら二次募集だって残ってないし、この時代、高校受験で浪人なんて、それこそあり得ない。


残された道は一つ。


「…行くしかないってことだよね…?」




森下千恵子、15才。

この年にして、人生最大の失敗を犯しました一。





[*前へ]

2/2ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!