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全ての始まりは一通の合格通知だった。


『合格通知

森下千恵子様

私立清涼高等学校調理科製菓クラスへの入学を許可いたします。』


「え?ちょっと待ってよ。何!?…え!!?」


違和感に気付いたのは、入学金を払って制服も手配した後。
部屋の引き出しの奥にしまいこんでいた合格通知を、何気なくもう一度見る気になった。

或いはそれは神からの御告げだったのかもしれない。

「…どういうこと、コレ…?」


頭が混乱する。

紙切れの上の文字がぐにゃりと歪んで渦を巻く。

あー。何だか吐きそうだ。

なぜあの時もっとちゃんと確かめなかったのか。

考えてみれば腑に落ちないところは山ほどあったではないか。

中学での成績はまぁまぁだったから、試験は推薦枠だった。

それはまぁいいとして。

あの時の小論文の課題は何だった?


そうだ、確か『あなたとお菓子の関係性』




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あきゅろす。
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