[携帯モード] [URL送信]
ランチtime
今日は、クラスの親睦を深めるために、皆でお昼を食べよう!とイズミが爽やかに言い放った瞬間、ちょこは軽いめまいを覚えた。

入学してからの数日は机に向かう授業ばかりで、ド素人のちょこも何とかボロを出さずに過ごせている。

元々、頭の回転は早い方だから、教科書と先生の説明があればついていけないこともない。
だがそれはあくまで“授業”の中の話。
時折、クラスメイトたちの雑談に混じる専門用語らしきものや、有名パティシエや有名洋菓子店の名前なんてほとんど分からない。
それらはちょこにとってもはや外国語に等しい。

それでも話をするのはほぼひなとだけだったので、適当に話を合わせれば何とかなった。

それなのに。

皆でお昼?
冗談じゃない。

狼の群れの中に子羊が迷い込むようなものじゃないか。
慌てて、何か言い訳をと考えたが、そんなちょこの心情など知る由もなく、唯一の友、ひなは笑顔で賛成の声を上げた。


「それ良い考え!皆で食べた方がきっと美味しいよ。ね、ちょこちゃんもそう思うよね?」

「え?あ…あー、うん…」

天使のような眼差しで見つめられて、断れるはずがない。
ちょこは諦めて小さく頷いた。

[*前へ][次へ#]

6/8ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!