帝王院高等学校
★ある日の朝2☆若月わかめ様より
「………」
朝起きたら隣りに俊が寝ていた。
しかも反対側には白百合の君が寝ていた。
「(゜ロ゜)< ありえねーだろこの設定ー」
ハァハァ、あまりのことに顔文字になってしまった。
いや、だって本当にナニこの設定!?俊だけならまだ判るよ!?いや、オカシイけど。でもまだ判るよ!何とでも想像できるし!何であの白百合の君こと叶二葉が一緒に寝てんですか!ありえないよ!オカシイよ!無理あるから!!!
と、とりあえず落ち着こう。
冷蔵庫にお茶を取りに行ってペットボトルの蓋を開け、ゴクゴクと冷たいお茶を喉に流し込む。今何時だろうと振り返ったら。
テーブルに着いている二つの影。
「ブフォァア!ゲボ、グホ、ゴホッ、ゴホ」
し、死ぬかと思った。鼻から出たよお茶。
っていうかいつの間に起きたんだよ!何でちゃっかりテーブルについてるんだよ!って俊!何人が朝食に食べようと思ってたたこ焼きパン食べてるんだよ!楽しみにしてたんですけどぉおお!
「ダーリン、朝食はフランス式にしてください」
出ないから!何ちゃっかり真顔で注文してのこの人!しかもフランス式って何だよ。パンか?パンなのか?っていうか誰がダーリンだハニー!!
「タイヨータイヨー、お腹すいたにょ。お腹と背中が貫通です、めそり」
してるのか既に!あああ、でも俊がお腹を空かせているなんて…!い、急いで何でもいいから詰め込ませないと、大変なことにっ!
冷蔵庫をガサゴソ漁って、いつが賞味期限だったのかわからない魚肉ソーセージとかチーズとかレトルトパックを次々解凍して俊の前に並べていくが追いつかないっ!
たすけてイチ先輩ー!
「ダーリン朝食はまだですか」
頼むから空気読んでください。
ハァハァハァ…本気で冷蔵庫が空になるなんて…入寮当日しか拝んだ事無いよ。
「ふー小腹が膨れたにょ」
あんだけ食べて小腹ですか!貴方様の胃袋どーなんてんの!?
力尽きて脱力していると、ツンツンとシャツを引っ張られて振り返る。
「朝食…」
まだ言うか。
「どうぞ」
そう言って、何処から持ってきたのかトレーに乗った典型的な和食が目の前に置かれた。
え、と顔を見上げれば、いつもとは何か違う…柔らかく、微笑まれてしまって…。
「………」
何か…変な感じ。
「いただきます」
美味しい…。
顔がちょっと火照ったことには…気付かれたくない。
なんだか良く判らないけど、頭がいまだに混乱しているので、お風呂に入って頭をサッパリさせようと向かったら…何か付いて来た。
何二人ともお風呂セット持ってるんだよ!あぁあ、泡風呂にするかバブを入れるかで争っている!実に下らない!っていうか一緒に入らないから!何当然みたいに脱衣所までついてきてるんですかあんたら!つか好い加減帰れよ!
風呂は諦めて顔を洗ってサッパリさせたけど…何も変わらない。
俊、下着は漁らないでください。
白百合の君、何本棚の後ろとか手突っ込んでるんですか!無いから!そこには無いから!あぁああダメェエ!そこはダメェエエ!!!
ハァハァハァハァ…寝よう。
もう付き合ってられない。疲れる…。
「………」
あの…叶二葉さん…何で隣りに寝るんでしょうか、何故向き合うんでしょうか、何故人の顔凝視してるんでしょうか。
…俊、耳元でハァハァするのはヤメテクダサイ。
もーなんなんだいったい…おちおち寝ることもできないじゃないか!
うつ伏せになって枕に顔を埋めて無視を決め込む。外野なんて知らんわ!
「………」
誰だ今ケツ触ったの。
フっと意識が浮上し、ガバっと勢い良く起き上がる。
いつもの自分の部屋だ。
何だ夢オチか…それにしたってオカシイけど…。
「ハァ…」
溜め息を吐いた瞬間、気付く。
「………」
左に金髪。右に銀髪…。
しかも銀髪の方思い切り目かっぴらいてるし!あ、目があった。
「面映ゆい」
ゴクリ。
「(゜ロ゜)< そこは夢オチで終わらせとけやー」
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