帝王院高等学校
★オタク警部捕獲作戦☆柳屋様より
illust/柳屋ハニー
text/藤都幟岐






それは某オカンが外見に全く似合わないうさちゃんエプロンを身に付け、味噌汁の味見をしていた時だった。





キィイイイイイン





と言う、アラシちゃんだかアラレちゃんだかな音が聞こえたかどうかは定かではないが、とにかくその光速の、マッハを越えた塊は衝突した。



「ゴフッ」

佑壱の背中に。
グキ、と悲しい音を発てたのが骨であるのか、捌かれ掛けの鰤であるなかは判らない。
今日はぶり大根らしいのは判った。





メキョメキョメキョガケノウエノポニョ




「ぐふっ!」


味見した味噌汁とか赤い何かとか色々吹き出した彼は、バイオレンスでファンシーな音を発てたのが自分の背骨や内蔵系統ではない事を信じ、恐る恐る振り返る。



「そ、総長?」


見れば、少し目を離した隙に腐れた最愛のオタク。
黒々としたボサヘア、怪しく光る黒縁眼鏡、





ニタァ。



悪寒がオカンの背中を駆け抜けた。


「17時23分、一人目捕獲。」
「…はい?」

ぶつぶつ呟いたオタクの、背筋やら灼熱の大地やらが凍る笑みに佑壱は言葉を失った。







たーすけてー





と言う断末魔の叫びは、沸騰した味噌汁とブリブリした鰤とマッハを越えたオタクしか聞いていない。

一匹目予告

次号
オタクの生け贄になった嵯峨崎佑壱の運命や如何に!
一体佑壱の身に何が?!
オタクの思惑は?!
次の犠牲者は…!!!
眼鏡が離せない次回、乞うご期待!


一匹目征っとく?

←いやん(*)(#)ばかん→
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あきゅろす。
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