帝王院高等学校
☆まるっと様より
はじめて会った時から、あの人の背中だけを追いかけていた






俺は馬鹿な子供だった

最強の男と知って、無謀にも殴りかかった


強烈な眼差しに射抜かれた瞬間、敗北を覚悟した


敵わない、俺などでは
絶望と同時に、あまりの眩しさに眩暈がした


その、圧倒的な強さに惹かれた


目が、離せなくなった







あの日
たった一通の手紙を残して、あの人は消えた

消えてしまった


何故、何故、何故と
疑問ばかりが頭をよぎる



ずっと、あの人の背中だけを追い掛けていた
あの人の背中だけを見つめていた


それで良いと思っていた
あの人について行けば、間違いはないのだと
盲目的に



けれど、本当にそれで良かったのか?
(自信がない)

俺は、あの人の目に映るモノを知らない
(だって、背中しか見ていなかった)

あの人の思いを知らない
(だって、背中しか見ていなかった)



知らない
何も、何も知らない!!
(………背中しか、見ていなかった!!)
(愚かしい程盲目だった!!)




何故、もっと手を伸ばさなかったのだろう

追い掛けて、顔を覗き込めば
もっと違う何かが見えたかもしれないのに
(何故、どうして、と)

あの人を知る事が出来たかもしれないのに
(繰り返すのは、後悔ばかり)

あの人を失う事は、なかったかもしれないのに
(………後悔ばかり)



俺が、そんな事を思うことさえ、傲慢なのかもしれないけれど




居てくれるだけでいいから

声をかけて貰いたいなんて、二度と思わないから



……………おいていかないで

(あなた<飼い主>を知ってしまったから)
(もう、ひとりでは生きてゆけない)



<END>

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