5
寮について、自分の部屋がある最上階まで行く。
このフロアに住んでいるのは生徒会のメンバーだけ。
俺が部屋のドアを開けようとすると、蓮が俺の後ろからドアを押さえてきた。
このままじゃドアが開けれない。
「…なんだ?」
俺よりもはるかに身長の高い蓮を見上げる。
なんでこいつはこんなに背が高いんだよ。
見上げないと顔が見れないから首が疲れる。
「鞄。返してもらわないと俺帰れないでしょ?」
「ん…ああ、ちょっと待って」
そういえばこれ、蓮の鞄だっけ。
返すからとりあえず中で待てと蓮を部屋に入れる。
俺は、ソファに座り鞄から猫又を取り出す。
やはり鞄の中は苦しすぎただろうか?
鞄から出した途端に逃げようと暴れだす猫又をしっかりと抱いて、頭をなでる。
ふわふわした白い毛がとても気持ちいい。
「桐人、お前それほんとに飼う気なの?」
なでられて少し落ち着いてきた猫又を指差しながら、蓮が聞いてきた。
飼う気だったのだからここまで連れてきたのだ。
「飼う気じゃないなら、わざわざここまで連れてこない」
「はあ…お前言い出したら聞かないし何言っても無駄か…」
ため息をつき諦めたように言う蓮。
なんかむかつく。
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