3
俺のすぐ横を通り過ぎようとしていた白い物体を掴みあげる。
まさか掴まれるとは思っていなかったのかそれはにゃあにゃあと鳴きながら暴れだす。
「…猫?」
俺に掴まれて鳴いているそれは確かに猫だった。
ふわふわの真っ白い毛に青いきれいな瞳。
しかしその猫には尻尾が2本あった。
尻尾を2本持つ猫がいると昔聞いたことがある。
「これって猫又じゃねえの?つか、まさかの妖怪?!俺たち妖怪捕まえたわけ?!」
どうやら蓮は俺と同じことを考えていたようだ。
妖怪がこんなに簡単に捕まってしまってもいいのだろうか?
…素手で簡単に捕まえられたぞ。
ただ、これはとても面白そうだ。
妖怪なんてめったに目にすることなんてできないしな。
「せっかくだし連れて帰るか」
………
「はあ?!」
数秒の静寂のあとに蓮が叫んだ。
え、お前何言ってんの?!と明らかに動揺しながら俺に言ってくる。
うるさい。
「何って、連れて帰るといってるだろう」
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