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くっころ騎士団長様を救出せよ!《完結》
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 あれからまた月日が経ち、俺とアーノルドさんに新しい家族が増えた。お腹が大きくなるのは嬉しいのと同時に不安や恐怖もあった。ちゃんと元気な赤ちゃんを産む事ができるのか、産まれた後、沢山の愛情を注いで育てる事ができるのか。俺よりも颯太さん達がそわそわしてて逆に冷静になれた気がする。アーノルドさんも落ち着きがなかった。落ち着いていたのは大和兄さんと遼太郎さんだけ。

「か、可愛いぃいいいいいい! なんて可愛い天使なんだ! ありがとう! エイト!」

 産まれた赤ちゃんはアーノルドさんに似た女の子。髪はさらさらの銀色で、瞳は藍色から青色のグラデーション。お医者さんからも元気で健康だと言われて、俺は凄く安心した。アーノルドさん達の方が大騒ぎしてるけど。

「ふふ。みんな大喜びだね。リウビア」

 赤ちゃんが産まれた日は雨が降っていた。大嫌いだった雨。でも、この世界に来てから雨の日も悪くないと思えるようになった。リウビアが産まれた後は、雨の日が好きになった。だから、名前もリウビア。顔立ちがアーノルドさんに似ているから、将来とっても綺麗な女の子になるんだろうな。今からすごく楽しみだ。

「ど、どうしよう。オズ。赤ちゃんの時にこれだけ可愛かったら、女の子になった時、リウビアちゃんに良からぬ事を考える変態が出てくるかもしれないよ!」

「王宮内でそんな事をするバカは居ないと信じたいが、安全とは言い切れないな」

「は? リウビアが結婚? 相手は誰だ? この俺より弱い奴には絶対に渡さない!」

「いや、まだ赤ちゃんでしょ?」

 オズさんと颯太さんとアーノルドさんの目が怖い。そのせいでリウビアが泣き出してしまった。急いで抱いて宥めると少し落ち着いたけど、アーノルドさんが近付くとビクッと怯えている。リナちゃんとレナードさんはあわあわしてる。シロガネさんが呆れていると、リウビアが反応して彼の尻尾の先をギュッと握った。

「キャウン! ど、どこ掴んでやがる! あ、おい! やめろ! 耳を引っ張るんじゃねえ! キャウ!」

 シロガネさんをお気に召したようで、リウビアはシロガネさんの尻尾や耳を引っ張ってキャッキャはしゃいでいる。俺が止めようとすると遼太郎さんから「好きなようにさせておけ」と言われた。嫌がっているようで、実は懐かれて嬉しいとか。シロガネさんは人の姿だとちょっと怖いから、小さい子に近付くだけで怖がられてしまうらしい。だから、物怖じせず満面の笑みを浮かべて懐いているシルビアは可愛くて仕方ない。

 確かによく見てみると、シロガネさんは口では「やめろ」と言ってるけど、その顔はすごく緩んでいる。でれでれだ。

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