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くっころ騎士団長様を救出せよ!《完結》
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 大量のハンバーグを捏ねて捏ねて形を整えて、フライパンでどんどん焼いて最後のハンバーグを焼いていた時の事。オズさんが「ソウタ!」と叫んだので、火を止めてソウタさんが居る部屋に向かった。入りますよと一言声をかけて扉を開くと、泣きじゃくるオズさんをソウタさんが包むように抱いて頭を撫でていた。

「ソウタ。良かった。ソウタ」

「ごめんね。オズ。沢山辛い思いをさせて、寂しい思いをさせて、本当にごめん」

「謝るのは俺の方だ! 俺のせいで、ソウタは……」

「俺が望んでした事だから。オズが無事で、本当に良かった」

 オズさんは更に大声で泣いてしまった。ソウタさんは慌てる事なくオズさんの頭を撫でて「大丈夫」と優しく告げる。お母さんと小さな子どもみたいだ。実際、昔はソウタさんが親でオズさんが子どものような関係だったんだろう。それが何時からか恋愛に変わった。ソウタさんがどう思ってるのかは分からないけど、オズさんはきっとソウタさんの事を恋愛の意味で好きだ。

 声をかける気になれず、俺はそっと扉を閉めた。作りかけのハンバーグを完成させて、自分の分だけ食べて食器を片付ける。テーブルに「食べてください」と書いた紙を置いて、始めに居た部屋のベッドにダイブする。また色々あり過ぎて疲れた。主に精神面が……

「無償の愛、か」

 オズさんとソウタさんは多分相思相愛。お互い心から愛おしいと思っていて、その人の為なら自分を犠牲にする事も厭わない。それを永遠の愛と思うか、自己犠牲と思うか。少なくとも、俺は悪いものじゃないと思う。精液搾り取ろうとしたのは一生許さないけどな。でも、今度こそ幸せになれそうで安心した。そう思ったらドッと疲れが押し寄せてきて、俺は体を休めたくて目を閉じた。

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あきゅろす。
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