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人を愛した魔族達《完結》
※R18詐欺2
「…………」

『『『…………』』』

「答えて頂きましょうか。これが一体、何なのかを……」

 見下す目は何処までも冷たく、リューイから放たれる殺気は凄まじい。笑っている筈なのに、目が全く笑っていない。

『私の奴隷になりなさい』

 タイトルから嫌な予感はしていたが、その予測は当たっていた。リューイが持っているのは、人間が魔族の城に迷い込み、魔王の従者に気に入られ、無理矢理快楽を教え込まされ、鬼畜調教されて行くと言う内容の本だ。かなりマニアックで過激な表現の多さに、リューイは本の内容を確認し、青筋を立てる。

 本の登場人物の名前がリューイとコノハだと言う事に凄まじい怒りを感じ、リューイはこの本を持っていた下っ端の魔族達をギロリと睨み付ける。

『『『!?』』』

下っ端の魔族達は恐怖で震え上がり、泣きながらリューイに説明した。

『モ、申シ訳アリマセンデシタ! リューイ様ッ!』

『ツ、ツイ、出来心デッ! リューイ様トコノハ様ヲ眺メテイタラ、ドウシテモ我慢出来ナクテ……』

『欲望ニ勝テズ書イテシマッタンデス! R18ノ鬼畜調教モノノ小説ヲ!』

「…………」

 下っ端の魔族達の言い訳を聞き、リューイは黙ったままニッコリと笑い大きく息を吸い込んだ。

「今直ぐ全て処分なさい!」

『『『!? ソ、ソンナァ!』』』

 泣きながら懇願する魔族達を怒鳴り付け、リューイは魔族達が持っていた本を全て処分した。リューイと琥之羽をモデルにした物は数え切れない程有り、中には魔王と暮羽をモデルにした内容の物もあった。

 リューイと琥之羽の内容が鬼畜調教ものが多かったのに対し、魔王と暮羽の内容が健全な溺愛ほのぼの系ばかりで、リューイは薄い本を大量に生産した下っ端の魔族達をもう一度怒鳴りつけたのだった。



-end-
21.08.16

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あきゅろす。
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