記念ノ噺
6度寝
これで終わりかな?
「さてと、じゃ最後に…」
チュ…クチュ……チュク…
「!!?…んう…う……ンン…」
強引に引き寄せられたかと思ったら、蕩けそうなほど深いキスをされた。
絡められた舌から発する音や、咥内を蹂躙する舌の動きにカクンと力が抜け、意識がぼやけてしまう。
やっと解放されると、今までで一番良い笑みを浮かべたジャックがいた。
「…ハルの心をちょうだい?」
ぱくぱくする口。
それを見てジャックは、ピーンとおでこを指で押した。
「な〜んてね。…うん。でもやっぱハルのとこ来て良かった。」
デコピンされて閉じていた目を開けると、さっきとは打って変わって寂しそうなそいつがいた。
…そんな顔、反則でしょ。
いや、もともとルールないんだけどさ。
「…ねェ、ジャック?」
「うん?」
「また、来て?」
「!!」
目を見開くそいつに微笑みかければ、今にも泣きそうな顔を更に泣きそうな顔に歪める。
「来年はもっと沢山いろんなことしよう?」
「うん!じゃあこれはその約束。逃げられない印。」
そうしてジャックは、自分の唇を噛み、再び口づけてきた。
今度のはカボチャの味がする。
それから何か固く平べったいもの。
種かな?
シュルシュルとカボチャの蔓が伸び僕らを囲んで、咲いた花が甘い香を放つ。
溶け消えそうな意識の中、ジャックは僕の服を少しはだけさせ、左鎖骨にキスをし跡をつけた。
「またね、ハル。それまで良い夢を…」
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