[携帯モード] [URL送信]

記念ノ噺
6度寝



これで終わりかな?



「さてと、じゃ最後に…」



チュ…クチュ……チュク…



「!!?…んう…う……ンン…」



強引に引き寄せられたかと思ったら、蕩けそうなほど深いキスをされた。
絡められた舌から発する音や、咥内を蹂躙する舌の動きにカクンと力が抜け、意識がぼやけてしまう。
やっと解放されると、今までで一番良い笑みを浮かべたジャックがいた。



「…ハルの心をちょうだい?」



ぱくぱくする口。
それを見てジャックは、ピーンとおでこを指で押した。



「な〜んてね。…うん。でもやっぱハルのとこ来て良かった。」



デコピンされて閉じていた目を開けると、さっきとは打って変わって寂しそうなそいつがいた。



…そんな顔、反則でしょ。
いや、もともとルールないんだけどさ。



「…ねェ、ジャック?」

「うん?」

「また、来て?」

「!!」



目を見開くそいつに微笑みかければ、今にも泣きそうな顔を更に泣きそうな顔に歪める。



「来年はもっと沢山いろんなことしよう?」

「うん!じゃあこれはその約束。逃げられない印。」



そうしてジャックは、自分の唇を噛み、再び口づけてきた。
今度のはカボチャの味がする。
それから何か固く平べったいもの。
種かな?

シュルシュルとカボチャの蔓が伸び僕らを囲んで、咲いた花が甘い香を放つ。
溶け消えそうな意識の中、ジャックは僕の服を少しはだけさせ、左鎖骨にキスをし跡をつけた。



「またね、ハル。それまで良い夢を…」





[*前へ][次へ#]

7/66ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!