記念ノ噺
5度寝
逆につっこまれた。
いわゆる逆ツッコミ。
…言わないか。
「…にしても、ハル、運が良かったね。」
「何が?」
頬杖をつくジャックの顔には無邪気な笑み。
「ボクが来なかったら、チェシャ猫とか、人喰いグールとか、狼男とかが来てたかも。わかる?その意味。」
チェシャ猫はどうか知らないが、他は絶対ヤバそう。
「特にチェシャが来てたら、今頃、迷いの森だよ。惑わして、惑わして、惑わせた揚句食べられちゃうからね。」
「え"…人肉、食べるの?」
「ううん。心を食べる。」
…怖いかも。
いや、怖い。
「じ、ジャックは?ジャックは何をするの?」
う〜ん…返答によっちゃ、塩、用意するか。
それとも鍋?
鍋で煮て食べちゃう?
カボチャだし。
「お〜い、ハル?ボク、よっぽどハルの方が怖いんじゃないかって思えてきた。」
「え?僕、何か言ってた!?」
「うん。カボチャだし食べちゃうか的な発言してた。」
アハハ…ま、いっか。
「え〜っと、ボクがすることだよね?ボクがするのは、人攫いとか、おどかしたりとか、…とか?」
いや、何故最後を濁す。
「ジャックはほぼ無害なの?」
「まァ、ね。…で?お菓子は?イタズラは?」
ワクワクした目でこっちを見られてもねェ…。
とりあえず柿の種をあげた。
ジャックはそれを嬉しそうな目で見る。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!