記念ノ噺
片思い君の必勝法1
ぼく、片桐源貴(カタギリミナタカ)には好きな人がいる。
しかも同性…。
もしぼくが綺麗だったり、可愛かったら少しでも望みはあったかもしれない。
けど残念ながら平凡だ。
仕草が小動物、と言われたことはあるが、あれは褒め言葉なんだろうか?
だがしかし!
ぼくはどうしても諦めきれない。
たとえ何度告ってフラれようとも!
ダダダダダッ!
「宮野先輩!ぼくとつきあ」
「間に合ってます。」
ガーン!
即答された、即答されたよ…。
うじうじしてると保健医の中島先生に手を引っ張られた。
そのまま保健室に連れてかれ、椅子に座るよう促してきた。
「はぁ…あのね、」
うじうじ うじうじ うじうじ
「あ の ね ?」
うじうじ うじうじ う…
「いい加減話聞けやァ!こんのチビ動物っ!!」
「あだァ!」
パッシーン、とハリセンで殴られうじうじタイムから無理矢理引き戻された。
「テメェ…これで何回目だァ?あ"ぁん!?」
「な、なにがでございましょうですか!?」
中島先生、怖いっす!
癒し系美人真っ青の癒し系美人なのに言葉、やの付く稼業の人並みに怖い!
「しょんぼりしながら一人で歩くな。食われんぞ?」
「いや、それはないですって。ぼく、平凡ですもん!」
胸を反らしてどうだ、平凡No.1すごいだろ、と威張れば先生はハァ…とため息を吐いた。
「お前、ちゃんと毎日鏡見てる?」
「見てますよ。歯磨き、洗顔後、寝癖直しの時にいつも!」
「そこに映ってんのは、超ふわゆる可愛い系少年じゃないか?」
「いいえ。ただの平凡なぼくです。もし、そんなのが見えたら一日ハッピーですよ!」
「……とりあえず、俺はお前に眼科へ行くことをお勧めする。」
「そういえば、視力落ちてきたかもです。」
「いや、そうゆうことじゃなくてな…」
あ、先輩の気配!
ぼくはうーんと唸っている先生を放置して保健室から出ていった。
先生が何か言ってたけど…まぁいっか。
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