記念ノ噺 5 〜僕の秘密5の続き〜 結果…。 「ま、負けました。」 剣道、囲碁、組手などなど…で勝負に勝ったのは、 「やっぱ、カッコイイ…」 「お前を守るためなら、全てにおいて強くなくちゃね。」 詩眞さんだった。 そうしてウインクする詩眞さんにくらっとしてしまう。 「兄ちゃん本当に強いなぁ。結也を凌駕する奴なんて久しぶりに見たぞ。」 「それでは、お義父さん、と呼んでもよろしいでしょうか?」 「あぁ。契りの杯を交わそうじゃねぇか。源、準備して来い。」 「へい!」 兄はほったらかしで、奥の部屋に帰ると杯が置かれていた。 「では、酌み交わそうか。」 「はい。」 あっさりと杯を酌み交わし、正式に家にも公認の関係になった。 けど、ちゃんと線引きしとかないとな…。 「父さん、」 「なんだ?」 「紹介して、公認されたのは嬉しいけど、引き続き僕らを家のことで巻きこまないでね。」 「もちろん。そんな馬に蹴られるような真似はしねぇよ。ま、馬に蹴られる前に、お前の恋人に蹴られると思うがな。」 「害があるなら、ってとこですね。そんなこともないでしょうけど。」 「ハハハ!信じてくれるってのは嬉しいねぇ。」 「はい。」 紹介も終わったところで、僕と詩眞さんは僕の部屋に向かった。 最後の難関というか…、ラスボスが家族だったとすると、最後の難関は裏ボス、みたいな感じかな。 「へぇ…ここが、結十の部屋か。」 「…うん。」 「それで…いいの?」 「!」 「オレのものになってくれるんでしょう?」 「っ…」 「大丈夫。」 背後から抱きしめられ、その体温に強張りが少し解ける。 「オレが脱がす?」 「っいい!」 「そう?残念。」 「詩眞さん、楽しそうだね。」 「そりゃね。やっと許されるんだよ。ずっと、欲しくてたまらなかった全てが手に入るんだから。」 震える手で、服を脱いでいく。 怖い。 だけど、ここまで来れたんだから…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |