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記念ノ噺
僕の秘密5

秘密ってさ…ばれる時には一気にばれるよね。

どうも、結十です。
最近、色々ばれて…



「矢代!今日こそは嫁に!」

「煩いですよ、会長。」

「ゆいちゃ〜ん!このアクセどぉ?似合う、似合う?」

「はいはい、会計さんなら何だって似合いますよ。」

「「「「矢代様ぁ!是非弟子にしてくださいっ!!むしろ、下僕でもっ!!」」」

「却下します。」



こんな毎日です。

ばれないように地味で平凡な人として紛れてきたのに…。
何がいけなかったんだ。



「結十、」

「はい…」

「これはどういうことだ?」

「…ごめんなさい。」



そして、最近恋人の詩眞さんがとても怖いです。
でも、さりげに守ったり、庇ってくれたりするんで、やっぱりカッコイイ…。



「はぁ…。いいよ。オレが守ればいいんだから。」

「これ以上カッコイイとこ見せないでくださいよ…」

「もっと惚れろよ?死ぬくらいな。」



…最近、詩眞さんは病んでるんじゃないかという疑惑が浮上中。

とにかく、もうこれ以上秘密をばらしたくないから、静かにしていよう。
特に、あの秘密だけは死守せねば…。



「ね、詩眞さん…」

「ん?」

「守ってね。」

「あぁ…。」



チュッ……



「もちろん。」



本当にカッコイイなぁ…。



「詩眞さん、大好き。」

「そう言うなら、早くオレのものになれよ。」

「…か、必ずなるから、もうちょっと待って!」



残念そうに溜息を吐く詩眞さん。
申し訳ないけど、これ以上秘密をばらしたくないんだ。
それに、詩眞さんにそれを打ち明ける準備も全然できていない。



「ごめんなさい。」

「大丈夫。気長に待つよ。最初からそう言ってるだろ?」

「…ありがと。」



くしゃりと頭を撫でられ、幸せな気持ちになる。

そうだ。
最初、僕らが付き合う時だって、そうだったんだ。



―――気長に待つよ。



秘密が多い僕だから、ばらすのが怖い。
少しずつ、少しずつ…そうやってばらしてきた。
だから、今は結構パンク状態なんだ。
こんなにも突然、ばれてしまったから…。



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