記念ノ噺
2
〜僕の秘密4続き・会計Side〜
たまたま擦れ違った、親衛隊総隊長さん。
その手首にシャラリと上品に輝くチェーン。
あぁ、あれが平凡が贈ったアクセかぁ…。
「ねぇ、隊長さん。」
「何ですか?」
「それって、彼からの贈り物ぉ?」
「そうですよ。あの子がオレのためだけにくれた…」
ちょ、マジ幸せそうな顔して、アクセにキスするとか、なんかカッコイイですけどぉ!
美形だから許される、美形クオリティーだねぇ…。
他のヤツがやったら、ただの気障っぽい残念野郎だよぉ。
「イリス・チェインだっけぇ?」
「あぁ…知ってますか?」
「当たり前ぇ〜。オレ、アクセ集めんの趣味だしぃ。イリスの大ファンだしぃ。」
できるならデザイン手掛けてるっていうオーナーに会ってみたいんだよねぇ…。
アクセのどっかに模様みたいに『Y』って入ってるから、名前の頭文字だとは思うんだけど。
「会ってみたいなぁ。」
「へぇ…ま、無理だな。」
「は?」
「オーナーは、猫だから気づきゃ逃げる。」
「え、」
じゃ、と言って立ち去る隊長さん。
意味わからないんですけどぉ。
見送っていると、平凡と出会い腰に手を回した。
あ、意外と華奢なんだぁ…。
そういえば、平凡の顔って見たことないなぁ…。
オーラが平凡な感じだから、平凡って決めつけてるけど、ぱっと見、根暗だし…。
会長の華やかさや、隊長さんのかっこよさでうま〜く中和されちゃってんだよねぇ。
素顔、気になるなぁ…。
――――――――――――――
それから、オレは隙あらば平凡に絡んだ。
親衛隊の誰も手を出さないのは痛い過去があるからで、気兼ねなく絡めるのは楽しかった。
飽きない平凡とのやり取りで、アクセのことも、イリスのことも、勿論、イリスのオーナーのこともすっかり忘れ、結構経った頃、オレはうっかり、転入生クンに捕まった。
騒音メーカーで、宇宙人な彼はオレを疲れさせるだけで、非生産的だった。
あ〜、もう!
誰か助けてよぉ〜!!
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