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記念ノ噺
2
※僕の秘密3の続き・会長Side



あれから学校で黒姫を探しているが見つからない。
正直、見つける自信がなくなってきた。

今まで、知らなかった者をどうして知ることが出来ようか?

つまり、黒モジャのようなわかりやすい変装などしていないということだし…。

やべえ、挫けそう…。

それでも探しているオレは、溜まる仕事を全て熟せてんだからすごいと思う。
自画自賛でなく、実際親衛隊のヤツらにも言われた。

だから、親衛隊もそんなオレに『ご褒美』と称して黒姫探しをしてくれてる。

今日も相変わらず他の腑抜け共は生徒会室に来ず、流石のオレも苛々してきた。

これじゃ捗らねぇな…。

気分転換に屋上へ行くと先客がいた。
何をするでもなく、フェンスに肘を着き、景色を眺めている。



「おい…」

「あ、会長。」



振り返ったそいつは、親衛隊総隊長の恋人だと、つい最近判明した、黒モジャに振り回されてた不幸なヤツ。
先日には、ブチ切れて黒モジャと腑抜け共をぶちのめしたらしい…。

舐めてるからそうなンだってわかんないのかねぇ、アイツら。
何度も言ってた筈なんだが、所詮ボンボンか。



「お前の活躍、噂で聞いた。」

「あぁ…やっぱ噂ンなってますか。はぁ…めんどくさ。」

「何が?」

「いや、あれから更に奴らが突っ掛かるようになりましてね。授業中でもお構い無しに絡んで来るんですよ。」



ふぅ…と溜息を吐いたそいつはここにいること秘密にしてください、と言った。



その時、不意に風が吹き、暗そうな雰囲気を醸し出していた髪を乱暴に攫った。
現れた顔は、息も忘れるほど綺麗で、同時に…



「黒姫…」

「…どうも。」



そいつが黒姫であることを暴き出した。

驚きに固まるオレに構わず、また髪を出会った時のように整える。

こりゃ気づかねぇ訳だ…。



「レオ、絶対バラすなよ?これはあくまでも、親衛隊に頼まれた『ご褒美』だ。他人にはバレたくない。」

「あ、あぁ…言わねぇ。」

「あ、それと、詩眞には気をつけてね。僕の顔見たヤツは大体さっくりやられてるから。」



お前の彼氏、とんでもねぇな。

だが、オレとしちゃ、そんなことどうでもいい。
この『ご褒美』が、すごく嬉しくて、久しぶりに学校で笑った。



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僕の秘密その3

族世界のアイドル『黒姫』





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