記念ノ噺 僕の秘密2 詩眞さんとの秘密がバレてからというもの、人目を気にせずいちゃつけるようになったことをいいことに、ベッタリくっついてくる恋人。 「結十、ほら口開けて?」 「…詩眞さん、ここ食堂。」 「あーん…」 「そういうのは、んむ…」 むぐむぐ……ごくん。 「…部屋行ってからしましょうよ。」 そう言っていても、実は自分もベッタリくっついているから、人のこと言えない。 独りきりになると、親友と宣っていた転校生が、生徒会引き連れてやって来た。 「結十!待ってても謝りに来ないから来てやったぞ!」 顔を顰れば、信用が0になってる生徒会がギャンギャンと吠える。 「謝るって何を?」 「親衛隊のやつに媚び売って、イジメ全部オレに押し付けただろ!」 やばいなぁ…。 ある意味これも秘密なんだけど我慢できそうにないや。 「押し付けてなんかない。そもそも僕はお前に巻き込まれただけだ。」 「何だよ!じゃあ、オレが悪いっていうのかよ!」 「『友達』の側にいることはいい。でも、周りにも配慮しなきゃ、もっと嫌われてくよ。」 「嘘だ!オレは嫌われたりしない!結十はオレのこと好きだから」 「僕ね、お前に興味ないの。」 表情を全てから消して、そう言った声は、何故かよく通った。 「嘘だ!嘘だ!嘘だ!オレを嫌う人なんか」 「うん。だから、『嫌い』じゃなくて『興味ない』の。」 ―――お前は、最初から僕の中にいないの。 そう言った瞬間、殴られた。 同時に、僕の隠していたものが呼び覚まされた。 「…なぁ、因果応報って知ってる?」 「うるさい!謝れ!謝れよ!」 「したことが、いずれは自分に返ること。…だけど、僕の場合」 ―――されたことは乗返し。 平凡に生きるため、隠してたけど、僕、結構強いから。 10分もしない内に、今までの鬱憤を言葉通り、乗返しして、生徒会も、転校生も床にのした。 僕は、それを暫く見てから、その場を立ち去った。 ―――――――――――――― 僕の秘密その2 売られた喧嘩は乗返し [*前へ][次へ#] [戻る] |