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記念ノ噺
僕の秘密1



秘密は隠すために。

秘密はバレるために。



〜僕の秘密〜



僕、矢代結十(ヤシロ ユイト)には、秘密がある。
それだけはバラしておこう。
そのおかげで、毎日を平穏無事に過ごせていることも…。

そんな平穏をぶち壊す存在が襲来しようとは、夢にも思わなかった。



先週、うちのクラスに転校生がきた。
平凡な彼は大声で、自分こそは正しい者だとふれ回り、生徒会を始めとする美形を落としまくり、むの…ゴホン!能無しにし、極め付けに、僕を親友と言って連れ回した。

当然、来るわ、来るわ、制裁の雨霰。

僕は、髪の長い眼鏡した根暗っぽく見えるようで、結構酷いことを言われたり、されたりしていた。
転校生の方は美形の方々に守られて、大したことはない様子。

羨ましい限りだ。
こっちは親衛隊と美形どm…ゴホン!美形野郎の攻撃から必死に逃げているというのに…。



そして現在、親衛隊にぐるりと囲まれましたよ、えぇ…。



「根暗オタク!あんたみたいなのがあの方たちの近くにいるなんて、許さない!」



バシャア!



「アハハ!水に濡れていい気味だ!」

「何とか言えば?」

「折角だから、眼鏡とっちゃお!」



ヤバイ…かなりヤバイです(冷汗)。
このままじゃ、色々バレるぅ!



「髪の毛も分け、あ、逃げんな!皆捕まえて!」

「いやぁぁぁあ!!」



ゴリラに捕まって、会長親衛隊のトップの手が延びて、眼鏡と髪を…



「「「「「「!?」」」」」」



驚愕に目を見開く親衛隊たち。



「コイツの顔を拝もうなんざ、100億光年早い。」



―――手を出すのは1000億光年、な。



「総隊長…。」



僕の前に現れ、親衛隊たちとの壁になってくれている、沖田詩眞(オキタ シマ)さん。



「結十、もうバラしていいだろう?」

「…ハァ、約束でしたから。」



そう言えば、嬉しそうに微笑む詩眞さんは、僕に顔を近づけ………キスをした。



「〜〜〜〜〜〜っ!」

「ククッ…愛してるよ、結十。」



この日、僕の秘密の一つが公になった。
親衛隊の面前で…。



――――――――――――――



僕の秘密その1

親衛隊総隊長の恋人





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