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無色ノ噺


流石に本職のホストじゃないから、帰る頃にはすっかり酔ってしまっていた。

海那に支えられながら帰路に着き、そのままベッドに横たわらせられた。



「無理させちゃったかなぁ…。大丈夫?」

「だいじょーぶなわけ、ない…。」

「戻しそう?」

「…だいじょ…」



優しく背を撫でる大きな手。
大好きな人の…。



「悠志さん、オレ、帰るけ」

「やだ。」

「え?」

「帰んなぁ…独りにすんなよぉ、バ海那…」

「!」



海那の首に腕を回し、不意打ちのキスをする。



「好き…」

「………。」

「好きなんだよぉ…」



頭の片隅で、お前、それ言ったら駄目だろ!と真っ青になる自分がいる。
だが、酒の力は怖いもので、本音をずるずると引き出してしまう。
止めようにも止める術がなかった。



「…悠志さん、ホント?本当にオレのこと好き?」

「好き…お前がいないと死ぬくらいぃ…」

「じゃあ、もらってもいい?」



ごろりと身体を仰向けにされ、海那がオレを覗き込む。
瞳がゆらゆらと揺れている。
欲と理性に揺れている。



「悠志さんをもらっていい?」

「いいよ。」
「もう手放せなくなるよ?離せない…。オレから逃がしてあげれない。それでも?」



オレは答える代わりにキスをして、今度はオレが海那を押し倒す。



「オレはっ!…オレ、ふ、うぅっ…」



オレはお前が好きだよ。
だけど、社会はそう優しくないから、この気持ちは一生言わないつもりでいた。
たとえ、それで自分が苦しんでも、海那を苦しめるのは嫌だから…。

好き、好き、好き…。

どうかこの気持ちが伝わらないように。
どうかこの気持ちが伝わるように。

矛盾した願いがぐちゃぐちゃになる。



「悠志…、ねぇ、悠志。お前をオレに」



―――ちょうだい?



伝わった気持ちは、もう止まらない。

オレと海那の唇が重なった。



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あきゅろす。
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