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音楽ノ噺


今日は全員で合わせ練習。
なんとか全曲、完璧に覚えた。
自分的に音の感情の起伏も付けてみた。
あとは、その場の雰囲気と、みんなからのアドバイスをもらいながら変えていこう。



「じゃあ、行ってくるね。」

「いってらっしゃい。イジメられたら言えよ?お兄様が直々に殺し…潰してやるから。」

「どこをっ!?」



物騒なことを言う希紫ニィを宥め、家を出発した。

楽譜一式よし、のど飴よし、マスクは付けてる、お茶よし、一応ギターよし!



――――――――――――――



練習場所に行くと、漆祈がドラムをセッティングしていた。



「おはよう。」

「ん?おはよ。早いな。」

「そうかな?ストレッチとかしないと、いけないし…喉あっためないといけないから。」

「へぇ…。お前は、ちゃんとやるんだな。」

「普通じゃない?」



荷物を隅に置くと、体を解し始めにかかった。
首をゆっくり回し、肩を緩め、腕を伸ばす。



「…運動する時の準備みたいだな。」

「アハハ…筋肉を伸ばしてることに代わりはないからね。そうだなぁ…漆祈が今やってるセッティングと同じだよ。」

「は?」

「声はオレの楽器。ストレッチはそのセッティングと同じ。チューニングは発声かな。」

「なるほどな。」

「オレ、声くらいしか誇れるものないんだよね。ビジュアル系なのに、顔は目立たないし…背低いし…」



うわ…自分でいって凹んだ。



「そんなことない。」

「うっひゃあ!?」



急に抱き着かれたから、変な声が出てしまった。

抱き着いてきた犯人は…



「楽…おはよ。」

「はよ。うん、やっぱジャストサイズ。」

「何が?」

「お前のサイズ。」



小さいって言いたいんだろうか…。

その後、楽に離れてもらって、ストレッチの続きと、発声練習をしていた。
ついでに言えば、みんなの視線が恥ずい…。



「あ、あの?そんな見てても面白くないでしょ?」

「「「「………。」」」」



ひたすら見つめないでください。
わけのわからない羞恥に襲われるんだけど!

それでもしっかり準備したオレは褒められるべきだと思う。
………やっぱいいや。



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あきゅろす。
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