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音楽ノ噺


ミニライブは5曲。
とりあえず、今回は時間がないからアイラさん時代の曲、3曲と、新しい曲、2曲をやることになった。



「今日中に覚えられるかな?」

「覚えろ。初ライブで楽譜片手とかカッコつかないだろ。」

「は〜い。」



渡された楽譜は、好きな曲ばかりだったから歌えるとして、新しい2曲は不安だ。



「まぁまぁ…。キーリも心配しなくて大丈夫だよ。いざとなったらアドリブでいいし…ね?」

「ルト〜。」

「よしよし。でも、出来るだけやってみてね?」



ルトに頭を撫でられ、俄然やる気が出て来た。
楽は、というと…



「…スー…スー…」



…寝ていた。
これ、大丈夫なんだろうか?

その後、明後日までの練習予定と、明後日以降の予定を軽く連絡され解散となった。



「あ、キーリ!」

「ん?」



帰ろうとして、キルに呼び止められる。



「あのさ、オレらもバンド専用のサイトにリンクしたオフィシャルブログやってんだけど、キーリも作らない?」

「え?やる!」

「じゃあ、初ライブ終わった後一緒に作ンね?」

「うん、わかった。よろしく!」

「おう、任せとけ!」



じゃあな〜と手を振るキルを見送って今度こそ…



「キーリ、」

「はい。」



今度は漆祈に捕まった。



「お前のいい声、期待してる。」

「っ!頑張ります!」



フッと笑った漆祈に、うっかり惚れそうになった。

いや、オレ男だろ!?

さぁ、今度こ…



ぎゅう…



「…また明日な、キーリ。」

「は、はい。」

「こら、楽。キーリがビックリしてるでしょ。ごめんね?じゃまた明日!」

「はい、また明日。」



名残惜しそうにする楽を、ルトが宥めながら帰っていった。

ついでに女の子たちも、ぞろぞろとファミレスから出て行った。

オレも帰ろ…。



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あきゅろす。
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