幻想ノ噺
3*
身体が不安に、刻まれた恐怖に震える。
伸びる蔦をなぞられる度に、快感に襲われる。
これだけで、快感を感じるんだから、本当に僕は自我を保っていられるのだろうか?
「類斗…」
「んぁ…シェイ…」
それでも、僕は彼に預けてみようと思った。
身体も、心も…。
伴侶、だからかな?
僕を押し倒したシェイは、撫でるだけで何もしてこない。
躊躇っているんだろう。
…愛しく感じてくれているからこそ。
「シェイ、大丈夫…大丈夫ですよ。」
「類斗…。」
「…はやく、早く僕を逃がして。それで…それで、」
―――早くシェイのものにして。
精一杯の僕の言葉。
恥ずかし過ぎて死にそう…。
そしたら、目の前で綺麗な顔が笑った。
すごく嬉しそうに。
「…そうだね。早く私だけのものに、ね。」
「………恥ずかしい」
「フフ…可愛いですよ。…類斗、やめてと言われても、やめませんからね?」
「……うん。」
では、とシェイはふわりと笑うとキスしてきた。
ぴちゃぴちゃ…くちゅ、ちゅ…
「ん、ふぅ…んむ…」
「はっ…類斗、…ん」
互いの舌を絡み合わせ、唾液を交換しあう。
シェイの唾液を飲み込む度、ぞくん、ぞくん、と快感が走り、下半身に熱が集まっていく。
そうじゃなくても、シェイが触れているところや、キス自体が気持ちイイのに…。
「んはぁっ!…ふ、イき、そぉ…」
「…まだ、ですよ。」
「ひぁん!」
カリリ、と胸の突起を引っ掻かれ、あられもない声が出る。
それが嫌で、口を手で覆うとしたら、シェイにその手をベッドに縫い付けられてしまった。
「声、聞かせて?」
「あぁっ!舐めな、でぇ…!」
突起を舌で捏られ、潰され、歯で甘噛みされる。
それで、のけ反れば胸を突き出すことになり、もっと吸われた。
「ひゃ…ああっ!」
いつの間にか下半身に延びた手が、僕の性器を刺激する。
恥ずかしい水音に、シェイはクスリと笑った。
「ちゃんと、感じてますね。…可愛い。」
「はぁ…っふ、あんっ!あぁああっ!」
そして僕は、イってしまった。
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