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狂気ノ噺


〜岬Side〜



あの子をクレイジーハウスに連れて来たのは単なる皆の気まぐれだった。

ボロボロで、血まみれのいっそ死んだ方が良かったんじゃないかってくらい酷い有様。
俺が言えた義理じゃないけどさ。

まぁ、俺は首さえもらえるなら、他の肢体がユキに喰われようと、血をシュウに飲まれようと、ドールにばらばらにされようと、どうでもよかったんだ。

性処理の奴らみたいに、綺麗な顔じゃないし、新たな傷を抜いたって、痣だらけの傷だらけ。
はっきり言うと、触っただけで手が腐りそうだ、と思った。

なのに…



――――――――――――――



「クイーン…?」

「ッ馬鹿。岬だっつってるでしょ?だから馬鹿はやなんだよ…。もうヒロなんか知ら」

「岬。」

「…お前、俺で遊ぶとは良い度胸じゃん?ああ、そっか…そんなに首狩ってほしかったんだ?いいよ?特別に鋸でゆっくり狩ってあげる。」

「え、遠慮しますッ!」



今は名前を呼ばれるだけで、嬉しくてたまらなくなる。

嗚呼、いつか息絶える日が君に来たら、俺が死ぬまで一緒にいられるように、首を狩ってあげる。

でも、傷つけるのは嫌だから、なるべく死なないでね?



「さてと、首でも狩ってくるかな?」

「今日のターゲットは、誰ですか?」

「それは帰ってきてからのお楽しみ。」



俺は、そう言ってクレイジーハウスから出掛け、街へと降りる。



―――さぁ、首狩女王のお出ましだよ?





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