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狂気ノ噺


僕が、クレイジーハウスに住み始めて早半年…。



「ちょっと、ベランダで首吊りに行ってきます。」

「ちょ、待っ…!首吊るなら、首置いてってよ!」

「アハハ、クイーン、一応止めよぉねぇ?」



僕は、立派な自殺願望者になりました。

それもこれも、ここの狂った住人のせい…ゲフンゲフン。
住人のおかげ。
最初こそ殺される!と、がたぶる震えてたものの、人間慣れる生き物でして…。
今じゃ毎日の、あれとかこれとかそれ、なんて言う、口に出すのも憚られるような殺人も習慣として見れるようになりました。

まぁ、実際習慣だし。



「チッ…。仕方ない。ヒロ戻っといで?じゃないと殺すよ?」

「だぁかぁらぁ!殺しちゃ意味ないでしょお?」

「ねェ、クイーンは」

「岬だって言ってるでしょ?馬鹿なの?馬鹿なんでしょ?」

「………今すぐ焼身自殺しますね。」

「ちょ、本気っ!」

「はい、本気です。」

「あ〜もう!!好きだからやめてって!ヒロがいなくなったら生きらんないよ…」



手にしていた、ガソリンの小瓶とライターをごみ箱にシュートして、僕はクイーンこと、城生岬に抱き着いた。



「ホント?」

「ホント。ヒロが大好きだよ。いつか本当に死んじゃったら、俺も首掻っ切るから。」

「それじゃ、自殺じゃなくて、心中じゃないですか。」



それでも、僕はその言葉が嬉しくて、顔は緩みまくる。

それを見て、間延びした話し方をするユキこと、白神雪もゆるりと笑った。

こんな感じで、毎日が始まる。



――――――――――――――



狂いに狂い、人と呼ばれず鬼と呼ばれても、生きることすらやめない僕の愛しい人たち。

僕は、人には恐怖を微塵も与えないけど、鬼たちにとっては僕がいなくなることが恐怖。

死にたくなったら…

それに歯止めが効かなくなったら…

迷わず僕は死ぬけどね?



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あきゅろす。
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