狂気ノ噺
在りし日の羨望
幸せな日々は、どこへ行ったのだろう?
それとも、彼の癇癪に障る何かをしてしまったのか…。
朦朧とした意識の中、愛しい彼を見る。
「なぁにィ?」
「ク…ぁふ……あ い…あい……て、る」
腕に突き刺さった注射針。
また、それを抜いて死に近づける薬をうつ。
その繰り返し、繰り返し。
「ねェ、そろそろヤバそォ?でもかぁわいいよォ。僕のだぁい好きな溶けた顔。」
「あい て る。」
なら、なんで殺すの?
回らない舌でこんなにも必死に愛を叫んでいるのに…。
どうして?
「だぁいすき。だから、もう二人はヤなのォ…。一人も絶対、イヤ。だから、ね?」
綺麗に笑う恋人。
嗚呼…これは罰?
誰かを…あなたを愛してしまった罰?
幸せな日々は、在ってはならなかった?
でも、次の言葉で世界は変わる。
「一緒に逝こお。世界も空気もなにもかも邪魔ァ。僕らだけの世界へ逝こォ?」
「…うん…あぃ……る…」
幸せ、幸せ、幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せしあわせしあわせしあわせしあわせしあわせしあわせシアワセシアワセシアワセシアワセ!!
シ
ぁ
わ
「アイシテル」
セ
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