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狂気ノ噺
Another Story T

施設で出会った彼、十和真広。

可愛い、可愛い真広。
優しくて、暖かい真広の性格に僕は惹かれ、『友達』の地位を手に入れた。

けど僕は真広に恋をして、友達の立場が嫌になった。
真広は優しいけど、鈍感だったから僕がアタックしても気づかなくて、苛々したんだ。
だから、僕のことが好きだという奴の前でやたらと絡んで、嫉妬心をわざと煽り、真広に危害を加えさせた。
そうすれば、真広は僕を頼ってくれると思ったから。

でも、真広は頼って来なかった。
こっちが心配してあげても、辛そうに笑いながら『なんでもない』と言うだけだった。

次第に僕は、当初の目的を失い、真広を傷つけることに快感を見出だしはじめた。
傷ついた体の痛みに顔をしかめる真広が可愛くて、可愛くて…。



『もう、やだよ…』



真広の部屋から聞こえた泣き声に、今こそ優しくして、依存させるいい機会だと実行した。
でも、拒絶された。
完璧に…。

『友達』から上がることない地位に、僕の不満は爆発し、自分のものにならない真広を壊してしまうことにした。



――――――――――――――



真広が行方不明になって、かなり経つ。

僕は自己嫌悪した。
取り返しのつかないことをしてしまったと…。

真広を探して裏小路に入れば、見知らぬ男に犯された。
その時、どうせなら、真広に犯されたかったと思った。

それから僕は、男に自ら進んで脚を開くようになった。

ある夜、綺麗な人に出会った。
僕は迷わず声を掛けた。



「お兄さん、僕を買ってくれない?」



何故なら、彼ならこの不毛な行為の繰り返しを終わらせてくれると直感したから。

彼は僕を激しく抱いた。
なくなっていく意識の中、僕は願った。



     モウ二度ト

   目ガ覚メマセンヨウニ





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