狂気ノ噺
5+
人気のない場所へ、じわりじわりと誘導していくと、ターゲットの女は欲の混じった期待の目でちらちらと見てくる。
残念だけど、もうターゲットは抱かないよ?
俺は、一人を決めたからね。
「ねェ…これからホテル行くの?」
俺はゆっくり振り返り、首狩女王の笑みをゆらりと浮かべた。
人の声も、気配もない場所でこれから何をするのか想像するだけで、ぞくぞくする。
セックスと似て非なる快感が支配していく。
そして、ゆっくりと俺の一般的な仮面が剥がれ、本性が露になった。
「ひっ!」
流石に空気が変わったのが分かったのか、女が小さく悲鳴をあげる。
「君って、綺麗な首してるね。細くって、白くて少し力を加えたら折れそう…。」
「あ、ああ…」
「あぁでも、下はいらないなぁ。」
がたがたと震え出す女。
この追い詰められていく表情がまた良い。
俺は、その白い首をうっとりした顔で見る。
「あのさ…その首、ちょうだい?」
「い、いやあぁぁぁ!!」
逃げ出す首の下。
勿論、まだ狩ってないから脳みそに従順だ。
嗚呼、早く俺の元においで…。
そしたら、他の仲間たちと同じく飾って、愛でてあげる。
「ぐぎゃあ!」
「あーあ、煩いな。首以外いらないし、下はぐちゃぐちゃに刻んであげる。」
逃げる背に、ナイフを投げる。
痛みに止まり、倒れたターゲットからナイフを抜けば鮮血が飛び散る。
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