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狂気ノ噺
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人気のない場所へ、じわりじわりと誘導していくと、ターゲットの女は欲の混じった期待の目でちらちらと見てくる。

残念だけど、もうターゲットは抱かないよ?
俺は、一人を決めたからね。



「ねェ…これからホテル行くの?」



俺はゆっくり振り返り、首狩女王の笑みをゆらりと浮かべた。
人の声も、気配もない場所でこれから何をするのか想像するだけで、ぞくぞくする。
セックスと似て非なる快感が支配していく。
そして、ゆっくりと俺の一般的な仮面が剥がれ、本性が露になった。



「ひっ!」



流石に空気が変わったのが分かったのか、女が小さく悲鳴をあげる。



「君って、綺麗な首してるね。細くって、白くて少し力を加えたら折れそう…。」

「あ、ああ…」

「あぁでも、下はいらないなぁ。」



がたがたと震え出す女。
この追い詰められていく表情がまた良い。
俺は、その白い首をうっとりした顔で見る。



「あのさ…その首、ちょうだい?」

「い、いやあぁぁぁ!!」



逃げ出す首の下。
勿論、まだ狩ってないから脳みそに従順だ。

嗚呼、早く俺の元においで…。
そしたら、他の仲間たちと同じく飾って、愛でてあげる。



「ぐぎゃあ!」

「あーあ、煩いな。首以外いらないし、下はぐちゃぐちゃに刻んであげる。」



逃げる背に、ナイフを投げる。
痛みに止まり、倒れたターゲットからナイフを抜けば鮮血が飛び散る。



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